伊藤忠商事が2020年に実施したファミリーマートの株式公開買い付けにおいて、東京地裁が適正価格より3000円安かったと判断したことに対し、申し立てを行っていた元ファミマ株主のうち、香港投資ファンドのオアシス・マネジメントが抗告した。
東京地裁は、ファミリーマートの買収対価をめぐって反対株主から提起されていた株式買取価格決定訴訟で、2600円とする判決を下しました。TOB価格の2300円は不当に安かったのでしょうか。今回もアナリスト目線で検証したいと思います。
短期間の大量買付けに対する買収防衛策として新株予約権の無償割当てを行おうとしたことに対し、大量買付者がこれを仮に差し止める旨申し立てましたが、東京高裁は却下しました。本件はMoM要件が設定されており、参考となる先例として紹介します。
最高裁にて買収防衛策としての新株予約権無償割当ての差止め仮処分が認められた近時の事案をご紹介します。本事案は買収防衛策の具体的な運用を考慮して差止め仮処分が認められたという点において、注目に値するものといえます。
本件は、複数の株主によるウルフパック戦術を含む、経営支配権取得に向けられた「共同協調行為」の取扱いが脚光を浴びるきっかけとなり、限られた時間の中で買収防衛策を適切に運用しなければならない、という実務の難しさを改めて感じさせられた事案といえる。
大阪高裁は、経営支配権争いの中で資本業務提携契約を締結することを目的として行われた新株発行が「著しく不公正な方法による」ものであると差止めが求められた事案において、新株発行の差止めを認めませんでした。(大阪高決令和4年2月10日)。
名古屋地裁が2021年7月、株主による臨時株主総会の招集請求許可申立てを却下した事案を紹介します。会社法の規定及び定款の定めにより株主総会の権限とされていない事項については、株主提案権の対象にすることはできないと判示しました。
最高裁は7月28日、アダージキャピタルによる三ッ星株式取得に対する買収防衛策(新株予約権無償割当て)で買付者側の主張を認める決定を下しました。敵対的買収に詳しい柴田堅太郎弁護士・正木達也弁護士が本件における司法判断の概要とポイントを解説します
M&Aに関する裁判例が増加の一途をたどり、事件類型の多様化も進んでいる。M&A取引を円滑に進めるためには裁判例に表れた考え方を踏まえる必要性がより高まっている。M&A訴訟の現況やその傾向や対策について、潮見坂綜合法律事務所の3弁護士に聞いた。
東京地方裁判所は、2022年6月16日の判決において、レストラン・レビュー・プラットフォームによる一方的な格付けアルゴリズムの変更が、独占禁止法上の優越的地位の濫用に該当することを判示しました。
名古屋地裁は令和4年2月17日、新株の発行の差止め仮処分を認める決定を行いました。会社が主張する資金調達に一定の具体性が認められながらも「現経営陣の支配権維持目的が主要な目的である」として、差止め仮処分が認められた事案となりました。
相続税申告において、相続財産である不動産の評価額(財産評価基本通達6項)を国が更正処分した事案について、2022年4月19日、最高裁の判決が確定し、納税者が敗訴となりました。本判決は相続税及び贈与税の実務に大きな影響を与えると思われます。
デラウェア州最高裁判所はこれまで、デラウェア州のコモン・ローにおいて、当事者の合意が無い場合にサンドバッギングが認められるか否かについて判断していませんでした。
今回は、株式併合に際して株式買取請求を行った者が価格決定前に仮払いを受けた場合における株主総会議事録の閲覧等請求の可否について判断した裁判例をご紹介します。
敵対的買収に対する防衛策に許容性に関する判例法理は「支配権争いの帰趨は原則として株主が決めるべき」とし、株主に支配権取得の是非についての判断を適切に行う機会を確保していれば、その買収防衛策は肯定されることが明らかになった。
今回ご紹介する裁判例は、信販大手アプラスの買収に際し、優先株式を購入した新生銀行側と売却したUFJ銀行(現三菱UFJ銀行)が株式譲渡価額の調整規定の解釈をめぐり争った事案です。裁判所がどういった判断を下したのか、根拠も含めてご説明します。
国内メディアによると、最高裁は14日、関西スーパーマーケットとエイチ・ツー・オー リテイリング子会社との経営統合に関して、統合手続きの差し止めを求めた食品スーパーのオーケー(神奈川県横浜市)の許可抗告を棄却する決定をした。
親会社が子会社を解散させたとしても、子会社の従業員を引き継がねばならない法的義務はありません。今回ご紹介する事案は、ある会社が買収した子会社の労働組合員を解雇する目的で子会社を解散させ、その効果が争われた判例です。
札幌地裁は令和3年6月11日、少数株主の締め出し(スクイーズアウト)を目的とする株式の併合が株主平等原則に違反するかという争点につき、判断を下しました。
かつて村上世彰氏がインサイダー情報をもとにニッポン放送株を大量に取得し、証券取引法違反に問われた事件が発生しました(村上ファンド事件)。今回は「公開買付等を行うことについての決定」の意義について判断した最高裁の決定をご紹介します。
今回はシャルレの株主代表訴訟の手続き内で申し立てられた「文書提出命令」の内容や意義について解説します。この文書提出命令は、MBOにおける「情報格差」の解消に役立つものとして注目に値するものとなりました。
MBO(マネジメントバイアウト)を実施する際、役員は株主に対して不当な不利益を与えないよう「善管注意義務」を負うと考えられています。シャルレの元株主が提起した株主代表訴訟では、元代表取締役を含む役員らの賠償責任が認められました。
2006年の商法大改正で「営業譲渡」が「事業譲渡」という呼称に改められましたが、今でも営業譲渡が使用される場合があります。それは当事者に個人の商取引が含まれる商法が適用される場合です。今回は営業譲渡契約の解除の判例をご紹介します。
今回は、インサイダー取引に関して業務提携等(重要事実)の決定時期が争点となった裁判例をご紹介します。東京地裁は1月26日、金融庁長官による課徴金133万円の納付命令を取消す判決を下しました。
敵対的買収の防衛策に「ポイズンピル」という手法があります。今回は、買収防衛策が「適法」と判断された最高裁の判例(ブルドックソース事件)をわかりやすく解説します。