日本製鉄によるUSスチールの買収に、米国内から反対の声が聞こえてくる。中国勢からの安価な鉄鋼輸入に押されて青息吐息のUSスチールを救済し、世界シェアを上げると同時に米国内で回復する鉄鋼需要を取り込む「Win-Win」のM&Aのはずなのだが…
関西電力、クラレが7月に入り、グループ会社が経営するゴルフ場の売却を相次いで発表した。いずれも事業ポートフォリオの見直しの一環で、本業とかけ離れた事業を手放す。上場企業による同様の動きはコロナ禍以降じわり広がっており、日本製鉄、シキボウ、大林組などが傘下のゴルフ場を売却した。
施工不良問題(2018年5月に発覚)に端を発した経営難からの再建途上にあるレオパレス21について、英国の投資ファンドのオデイ・アセット・マネジメント・エルエルピーが3度買い増し、保有割合を8.46%に高めた。
M&A Online編集部が今回、取り上げるのは2009年に出版された「M&A新世紀 ターゲットはトヨタか、新日鐵か?」(岩崎 日出俊著、KKベストセラーズ刊)。日本のM&A史の一コマを知るうえで重宝する一冊。
2022年1月のM&A件数(適時開示ベース)は前年同月比10件増の64件となり、1月として過去10年で2020年(74件)に次ぐ2番目の高水準だった。前年1月は新型コロナウイルス感染拡大を受けた2回目の緊急事態宣言と重なり、20件の大幅減となったが、コロナ3年目の今年は好調な出足を見せた。
日本製鉄が知的財産訴訟の「戦線」を拡大して1カ月が過ぎた。EVなどのモーターに使われる電磁鋼板の特許を侵害されたとして、中国の宝山鋼鉄とトヨタ自動車に続き三井物産を訴えた。なぜ訴えたのか?背景には三井物産とトヨタとの「深いつなかり」がある。
2021年は企業間で大きな「下剋上訴訟」が起こった年として記憶に残るだろう。かつては「顧客」である企業に訴訟を起こす事例は、ほとんどなかった。2021年はファーストリテイリングやトヨタなどが相次いで訴えられている。2022年はどうなるのか?
「絶対にそうはさせない」。衆院選投票日前日の10月30日、トヨタの豊田章男社長は語気を強め、政府・自民党を激しく牽制した。豊田社長は「カーボンニュートラル」政策に強い懸念を表明し、「日本のものづくりと自動車産業を守り抜く」との決意を語った。
「サプライヤーの反乱」なのか?トヨタ自動車が日本製鉄からハイブリッド車などに使われる電磁鋼板の特許権を侵害したとして、素材を供給した中国鉄鋼大手の宝山鋼鉄と共に東京地裁に訴えられた。根底にあるのはトヨタ側の「変わらなかった意識」の問題だ。
3月9日、日本製鉄による東京製綱に対するTOBが成立した。本事案は伝統的大企業による敵対的買収であったこと、背景に東京製綱の業績不振及びコーポレートガバナンス不全が指摘されたこと、取得割合が19.9%であったことが注目された。