イオンは、ドラッグストア業界2位のツルハホールディングスの株式を、香港の投資ファンドであるオアシス・マネジメント・カンパニー・ リミテッドが運用するファンドから取得する方向で、オアシスとの交渉に入った。
ドラッグストア大手のクスリのアオキホールディングスがM&Aを積極化させている。同社は2024年1月5日と9日に合わせて3件の企業や事業の取得を発表した。2016年の上場後、最多だった2021年に並んだ。
ドラッグストア業界2位の座を巡って競争が熾烈化している。マツキヨココカラ&カンパニーが業績を大きく伸ばし、ツルハホールディングスに売上高であと30億円のところまで迫っているのだ。
小売業を対象とした2023年のM&A件数は52件と前年を14件下回った。50件台は2021年(58件)以来。コロナ禍初年の2020年77件と比べて25件の大幅ダウンとなるが、経済活動の正常化に伴い、かえって件数自体は落ち着いたともいえる。
ドラッグストア業界でトップと2位の格差が拡がってきた。両社の勢いの差はどこにあるのか。詳細を見てみると。
入社式で大谷喜一社長が「マーケット自体は規模が伸びない。成長戦略の一つはM&Aだ」と語ったアインホールディングス<9627>。実際に何件のM&Aを実施したのか?東証の適時開示によると、同社は2016年以降で6件のM&Aを成功させている。
2022年の小売業のM&Aでは、セブン&アイ・ホールディングス(HD)による百貨店事業の売却がニュースをほぼ独り占めする形となった。売却先は米投資ファンドのフォートレス・インベストメント・グループ。金額は2000億円を超える見込みだ。
ドラッグストア大手のサンドラッグがM&Aを再起動した。今年に入り、8年ぶりとなるM&Aを2件手がけた。同社は2026年3月期に「売上高1兆円」を目標に掲げている。その実現に向けて、M&Aの号砲が鳴った形だ。
クスリのアオキホールディングスがM&Aにアクセルを踏み込んでいる。買収ターゲットは地場の食品スーパー。その数は最近2年間で6件に上る。クスリのアオキは元々、食品販売を成長の原動力としてきたが、ここへきて攻勢を一段と強めている理由は。
クスリのアオキホールディングスがコロナ禍の中、食品スーパーの買収を活発化させている。同社は2006年に東京証券取引所に上場して以来、適時開示したM&Aは1件もなかっただけに、大きな方向転換となる。