「戦略的マイノリティー出資のPMIのポイント」の最終回。今回は「段階取得」の場合に焦点を当て、リクルートホールディングス(HD)の「二段階アプローチ」の事例をもとに、「段階取得が有効な場合の条件」を考察したい。
前回記事で「マイノリティー出資におけるPMIのさじ加減は相手と“両想い”か“片想い”かによって全く異なってくる」とお伝えした。では、どのようにして“両想い”か“片想い”かを見極めるのか。プレPMIの段階で留意すべきポイントを述べたい。
M&Aの失敗の要因が株式取得前の「前工程」にあるのか、それとも株式取得後の「後工程」にあるのか。マイノリティー出資の場合、前工程でつまづくと、後工程で巻き返すのは至難の業。マジョリティー出資のように資本の論理で突き進むことができない。
M&Aといっても経営権の掌握にまで踏み込む「買収」だけではない。将来の買収を視野に入れつつ、マイノリティー出資してまず少数持ち分を取得にとどめることが多い。その場合も、PMI(M&A後の統合プロセス)と呼ばれる作業は必要なのか?