日本電灯電力販売は2022年12月21日、東京地裁より破産開始決定を受けた。2022年の新電力事業者の倒産は12月に破産したシナジアパワーに次いで8社目となった。
新電力のシナジアパワーは12月1日、東京地裁へ破産を申請し同日、破産開始決定を受けた。負債総額は債権者約400名に対して約130億円。同社は東北電力と東京瓦斯による共同出資で設立された新電力事業者だった。
新電力事業者のFTエナジーは7月1日、東京地裁より破産開始決定を受けた。負債は現在調査中。新電力の倒産は今年に入ってISエナジーに次いで5社目となる。
東証マザーズと福証Q-Boardに上場するホープは3月22日、昨年12月の持株会社化に伴い会社分割したホープエナジーが破産すると公表した。負債総額は概算で約300億円。ホープエナジーが担っていた電力小売はグループ売上高の9割を占める。
2021年度(2021年4月〜2022年3月)も終わりに近づいてきた。今年度は念願のワクチン接種が始まったもののコロナ禍は収束せず、原材料や資源価格の高騰、円安と逆風が吹き荒れた。そこで今年度の注目すべき業界の企業倒産を振り返ってみよう。
電力の卸価格が上昇を続けている。日本卸電力取引所の24時間平均取引価格は1キロワット時あたり18.5円と、JEPXで取引が始まった05年以降、同月としては過去最高を記録した。卸電力から電気を仕入れている新電力各社にとっては脅威のはずだが…。
2021年1月のM&A件数(適時開示ベース)は前年同月を21件下回る53件となり、2016年以来5年ぶりに減少した。新型コロナウイルス感染拡大の第3波で年明けに緊急事態宣言が再度発令され、M&A取引にも影響が及んだ可能性がある。