工作機械大手の牧野フライス製作所はアジア系投資ファンドのMBKパートナーズによる買収提案を受け入れ、非公開化し、株式市場から「退出」することを決断した。ファンドの傘下に入った後、再上場するケースはどのくらいあるのか。また、その顔ぶれは?
工作機械業界で、主要顧客である自動車分野以外の新市場の開拓や、製造業が抱える自動化や省力化などのニーズに応えるために、自社の技術だけでは不足する部分を補う手段としてM&Aを活用するケースが増えつつある。
M&A Onlineが大量保有データベースで2025年5月の大量保有報告書などの提出状況を調べたところ、工作機械大手の牧野フライス製作所の株式を、米国の大手金融機関であるゴールドマン・サックスが5.3%新規保有したことが分かった。
モーター大手のニデックが工作機械大手、牧野フライス製作所の完全子会社化を目的に実施中だったTOB(株式公開買い付け)を撤回した。約4カ月半に及ぶ両社の攻防戦はひとまずピリオドを打つ。場合によっては今後、牧野フライスに再度アプローチする可能性もある。
工作機械大手の牧野フライス製作所に、モーター大手のニデックが昨年12月末に買収提案を発表して3カ月が経過した。両社のせめぎ合いが続く中、いよいよヤマ場を迎える。ニデックが予告していたTOB(株式公開買い付け)開始日の4月4日が到来するためだ。
M&A Onlineが大量保有データベースで2025年2月の大量保有報告書などの提出状況を調べたところ、ニデックがTOBによる子会社化を表明している牧野フライス製作所の株式を、野村証券が5.17%を新規保有したことが分かった。
工作機械メーカーのスター精密が、医療機器や医療機器部品などからなるメディカル事業に参入する。医療機器メーカー向けに自社製の工作機械を販売してきた実績と、これまで培ってきた精密加工や組立技術、高精度位置決め制御技術などを武器に、新分野に挑戦する。
モーター大手のニデックが、新たなM&A戦略を打ち出した。これまでは業績の振るわない企業を中心に子会社化してきたが、適切な経営状態にある企業と一緒になることで、さらなる企業価値の創造を目指すとの方針に切り替えたのだ。
ニデックは、事前の協議や打診を行わずに買収の意向を表明している牧野フライス製作所に関し、同社から同意が得られない場合でも予定通り買収を進める方針を示した。事前協議のない買収手法は非常に透明であるとして、今後もこの手法を採用する。
ニデックは2030年(2031年3月期)にオーガニック(自社の経営資源を活用した成長)で7兆円、M&Aで3兆円の売上高を目指す、中長期の目標を明らかにした。 創業者の永守重信氏が退いたあとの新経営陣がまとめた。