年金バイアウト市場が確立されている国では、退職給付債務ベースではなく、バイアウト価格で行う事がより「正しい」と言える。バイアウトコスト未満で買い手が債務を引き取ってくれることは、売り手にとっては大変お得な取引だ、という事である。
大阪に本社を置く小泉産業と小泉成器が、新たなタイプの企業年金である「リスク分担型企業年金」を本年10月にも導入すると報じられた。「リスク分担型企業年金」は、従来から存在する企業年金の2類型である「確定給付型(DB型)年金」と「確定拠出型(DC型)年金」のハイブリットとも呼べるものだ。そのため、「第3の企業年金」と呼ばれることもある。今回は、どのようなM&Aで年金制度の統合や決算数値への影響が発生するのかを整理してみたい。