書店大手の文教堂グループホールディングスが上場廃止の猶予期間だった8月末を迎える。銀行団による債務の株式化などで債務超過を解消し、上場廃止の危機をひとまず乗り越えたが、出版不況に新型コロナが重なり、同社の先行きはいぜん視界不良のままだ。
業績不振に陥っている大手書店、文教堂グループホールディングス(GHD)が上場廃止の危機をひとまず免れた。27日、事業再生計画が金融機関の同意を得て成立。これに伴い、上場廃止の猶予期間が2020年8月31日までに1年間延びた。
業績不振に陥っている大手書店、文教堂グループホールディングスに上場猶予期間の8月末が迫っている。事業再生ADRに基づく再生計画案が予定通りに成立すれば、上場廃止の猶予期間が1年延長される。だが、進捗の遅れが否めない。
事業再生ADR申請の文教堂グループホールディングスが7月10日の債権者集会で、金融機関のすべてが借入金返済の一時停止に応じた。返済猶予は金融債務に限定され、書籍の仕入代金など一般債務の支払いは変更ない。
大手書店の文教堂グループホールディングスは28日、私的整理の一種である事業再生ADR(裁判外紛争解決手続き)を第三者機関に申請したと発表した。2カ月後に差し迫っていた上場廃止を回避し、債務超過解消までの時間をもう1年間稼ぐ窮余の策だ。
大手書店の文教堂グループホールディングス(HD)が2018年8月期決算で2億3300万円の債務超過に陥ったのに伴い、同社株式が上場廃止の猶予期間入り銘柄となった。出版市場が縮小する中、書店経営を取り巻く厳しい現状が改めて浮き彫りになった。