中堅ゼネコン(総合建設会社)のナカノフドー建設はその社名が示すように、2つの建設会社の流れをくむ。旧ナカノコーポレーションが旧不動建設の建築事業を買収し、ナカノフドー建設として再出発したのは2004年。以来、M&Aとは無縁だった同社だが、今年、ほぼ20年ぶりに企業買収に踏み切った。
2022年3月のM&A件数(適時開示ベース)は93件と、過去10年間で最多だった前年の94件にわずかに及ばなかったものの、2年連続で90件台を記録し、高水準を維持した。1~3月(第1四半期)の累計は237件で、前年同期を8件下回った。
建設業界でここへきて大型M&Aが連続している。ターゲットは東洋建設と大豊建設。前者には前田建設工業を中核とするインフロニア・ホールディングス、後者には九州の企業グループ「麻生」(福岡県飯塚市)が買収者として名乗りを上げた。一見無関係に見える二つ買収劇だが、実は共通するキーワードがある。それは、「旧村上ファンド系」だ。