旭化成は14日、傘下の旭化成ホームズ(東京都千代田区)を通じて、中央ビルト工業にTOB(株式公開買い付け)を実施すると発表した。旭化成ホームズは約33%の株式を所有する中央ビルトの筆頭株主。TOBで残る株式を取得し、完全子会社化を目指す。買付代金は11億8600万円。中央ビルトは旭化成ホームズに住宅用鉄骨部材を供給している。新設住宅着工戸数の減少が続く中、一体的な事業運営を実現し、より緊密な協業体制を構築する。
中央ビルト株の買付価格は1株につき750円で、TOB公表前日の終値529円に41.78%のプレミアムを加えた。買付予定数は158万1093株。下限は所有割合33.92%にあたる79万7400株。第2位株主のアルインコは所有する9.44%の株式をTOBに応募する予定。
中央ビルトはTOBに賛同し、株主に応募を推奨することを決めた。買付期間は12月15日~2024年2月1日の30営業日。決済の開始日は2月8日。公開買付代理人はみずほ証券。
中央ビルトは1951年に建設工事用鋼管の販売を目的に中央商事として設立。1953年に国内で初めて鋼製仮設機材(足場)の製造に乗り出し、中央仮設鋼機に社名を変更。1969年に現社名となり、仮設機材事業と住宅鉄骨事業を2本柱とする。1961年に東証2部に上場(2022年4月に東証スタンダード市場に移行)。
住宅用鉄骨部材の供給先である旭化成ホームズとは2017年に資本提携し、同社の持ち分法適用関連会社となった。