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片倉工業、経営陣によるTOBが不成立に

2022-01-12

片倉工業は12日、MBO(経営陣による買収)を目的に行われたTOB(株式公開買い付け)が不成立に終わったと発表した。同社の上甲亮祐社長らが出資する「かたくら」(東京都中央区)が全株取得を目的に買い付けを進めていたが、片倉工業株価(市場価格)は買付価格の2150円を上回る高値圏が続き、TOBへの応募株式が買付予定数に届かなかった。これに伴い、株式の非公開化を断念し、引き続き、上場企業としての企業価値向上を追求していくとしている。

片倉工業のMBOは買付代金が最大714億円に上り、投資ファンドが関与しないMBOとして過去最大級と目されていた。祖業の製糸事業の縮小に伴い、不動産、医薬品、機械などへの多角化を進めてきたが、非公開化で構造改革の取り組みを加速する狙いだった。

買付主体のかたくらは、2021年11月9日~12月28日としていた買付期間を2022年1月11日まで延長していたが、片倉工業株の買付価格については2150円のままで条件変更していなかった。

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