経営者はなぜ不正をするのか|間違いだらけのコーポレートガバナンス(2)
今回のコラムは、「経営者の監視ができる仕組み」に関する現行のコーポレートガバナンス制度の有効性を前提としつつ、経営者の不正がなくならない原因について考えを述べてみたい。
西澤 龍
| 2021/10/13更新
2019.09.10
次に、成果の最適分配について考えてみよう。最適分配の問題とは、株式会社に関して言えば、得られた成果(利益)を誰にどのように分配するか、という問題である。これについての会社法の回答は極めてシンプルだ。利益はすべて、株主のものである。
会社法105条に規定された剰余金の配当権、残余財産分配権、そして1株1議決権。これらはすべて「会社の利益は100%株主のものである」ことを明確に定義している。法律で決まっているのだ。議論の余地はない...
今回のコラムは、「経営者の監視ができる仕組み」に関する現行のコーポレートガバナンス制度の有効性を前提としつつ、経営者の不正がなくならない原因について考えを述べてみたい。