では、M&Aを検討する過程で「不正会計」「粉飾決算」といった「不適切会計」が見つかった場合、破談の原因になるのだろうか。
私の経験上、「不適切会計」は、中小企業の決算書にはつきものである。程度の差はあるが、会計監査で要求される水準で厳密に検討する場合、中小企業の決算書が、いわゆる日本で一般に公正妥当と認められる会計基準(GAAP:Generally Accepted Accounting Principle)に完全に準拠しているケースは、ほぼ無いと認識している...
東芝は、税引前利益の要修正額が累計でマイナス1518億円となる多額の不適切な会計処理が、2008年度から14年度まで、長期間行われていたと発表。「不適切会計」と「粉飾決算」の違いはなにか。公認会計士の新井康友氏がわかりやすく解説する。