2024年の上場企業によるMBO(経営陣による買収)は早くも10件(届け出ベース)に達し、5年連続で2ケタに乗せた。このままいけば、過去最多だった2011年21件を13年ぶりに更新する可能性がある。何が経営者をMBOに駆り立てているのか。
ここ5年間、永谷園ホールディングスのM&Aが活発だ。狙いは外資系食品関連企業を通じての海外市場の開拓。お茶づけ海苔や即席味噌汁といった国内市場向け食品に特化してきた永谷園が、なぜ海外に目をけたのか。そこには創業以来の戦略を一新する変革があった。
先日、永谷園ホールディングスがフリーズドライ食品会社を傘下に持つ英・ブルームコを約150億円で買収すると報じられた。官民ファンドの産業革新機構と共同とはいえ、永谷園にとってはシュークリーム専門店「ビアードパパ」で知られる麦の穂ホールディングス買収以来の大型買収だ。永谷園が描いた海外展開の青写真とは?