日本企業がかかわるM&Aでちょっとした“異変”が起きている。1000億円を超える大型M&A(適時開示ベース)が7月から10月まで4カ月連続で途絶え、2013年3月から6月にかけて記録して以来10年ぶりとなった。M&A件数そのものは過去10年で最多のペースで推移しているが、夏場を境に案件規模が目に見えて細っている。
取引金額が100億円を超える大型M&Aの件数がハイペースで推移している。1~9月段階で前年比8件増の63件と、このままいけば、2022年は2016年(87件)以来6年ぶりに年間80件を上回る見通しだ。1000億円超の案件は今のところ7件と、前年(19件)の半数以下にとどまるが、数百億円規模の案件が積み上がっている。
取引金額100億円以上の大型M&Aが高水準で推移している。2022年上期の時点で、その数は44件(適時開示ベース)と前年上期の33件をすでに11件上回る。今のペースでいけば、2016年の年間87件を超え、過去最多となる公算が大きい。
新型コロナの夏、日本企業が絡む大型M&Aが相次いでいる。その顔ぶれはセブン&アイ・ホールディングス、日本ペイントホールディングス、武田薬品工業。いずれも国境をまたぐ国際案件で、このうちの2件は「兆円」を超える。