2020年1~6月(上期)の企業別のM&A件数を適時開示情報に基づき集計したところ、三井グループの2社が5件でトップに並んだ。このうち、三井E&Sホールディングス(旧三井造船)は5件すべてで子会社・事業の売り手に回った。
M&A Online編集部がM&Aデータベースで調べたところ、2020年1-6月に上場企業による子会社や事業の売却案件が139件となり、2011年以降の過去10年間の同期間では2012年の128件を上回り最多となった。
2020年1~6月のM&A件数は前年同期を11件上回る406件で、上期として11年ぶりの高水準となった。新型コロナ感染にもかかわらず、件数上は影響を跳ねのけた形だ。一方で、1~6月の取引金額は1兆4671億円と前年同期に比べ約32%減った。
三井E&Sホールディングスによる子会社や事業の売却が、2019年12月下旬から2020年6月中旬までのおよそ半年間で6件に達した。海外の大型石炭火力発電所土木建設工事によって発生した巨額損失を穴埋めするための取り組みだ。
人員削減などリストラの動きが広がっている。三井E&Sが子会社など資産売却と1000人規模の削減・配置転換を柱とする経営再建策をまとめたほか、オンキヨーは約100人の希望退職者募集を発表した。セブン&アイは3000人を減らす。