■カネボウ(04年)

●概要

 恒常的に行われていたとされる事業部ごとの売り上げ水増しやバブル崩壊後の負債などを抱え、カネボウは02年3月期の連結決算で、約260億円の赤字を7000万円の黒字に、約1900億円の債務超過を9億2600万円の資産超過と有価証券報告書に虚偽の記載を行った。債務超過が明るみに出れば銀行からの借り入れができなくなるほか、上場廃止の恐れがあったからである。

 05年4月、カネボウは96年3月期から04年3月期まで、実際は9期連続で債務超過であったこと、また不適切な会計処理による粉飾総額は2150億円にも及ぶことが判明した。粉飾発覚から2カ月後に上場廃止となり、産業再生機構の支援の下で経営再建を目指したが経営破綻寸前となり、事業継続を断念した。また、これに伴って当時監査を担当していた中央青山監査法人の会計士4名が逮捕された。同監査法人は監査先企業の問題発覚が相次いだため2カ月間の業務停止処分となり、みすず監査法人と改称したが信用回復はならず、07年7月に解散した。

●主なM&A

・化粧品事業と「カネボウ」の商標権を花王が買収。知財権なども含め、買収金額は4270億円
・日用品、医薬品、食品事業をカネボウ・トリニティ・ホールディングス(現・クラシエホールディングス)として事業再編。09年9月にホーユーが約100億円で株式の約60%を取得し子会社化
・綿、合成繊維事業をセーレンが買収
・カネボウストッキングを福助が買収

■ライブドア(06年)

●ライブドア事件の概要

 堀江貴文氏が率いるオン・ザ・エッヂが02年に買収。株式分割合併・買収を繰り返し、グループ全体の時価総額を約1兆円企業に急成長させた。時代の花形ともてはやされたホリエモンこと堀江貴文氏だが、証券取引法違反(有価証券報告書虚偽記載)で主要役員を退任。逮捕され、懲役2年6カ月の実刑判決を下された。なお、堀江氏は、LDH(旧・ライブドア)に損害を与えたとして同社と争っていたが、その後208億円の資産譲渡で和解している。

●主な不祥事

・投資事業組合を利用した粉飾決算
ライブドアの04年9月期の連結決算で、自社株の売却収入を売上高に含め、子会社2社に対する架空売り上げを計上するなどの手口で、実態は3億1300万円の経常赤字であったにも関わらず、50億3400万円の経常黒字であったとする虚偽の有価証券報告書を提出した。

・風説の流布
04年10月、ライブドアがライブドアマーケティングを買収する際、実際にはすでに支配下にあったにも関わらず「株式交換で買収する」と虚偽の情報を流した上に、ライブドアマーケティングの売り上げを1億円水増しした。これにより株式を100分割した際、ライブドアマーケティングの株価が高騰し、新株を8億円で売り抜けたライブドア傘下の投資組合が大儲けし、その金はライブドアに入ったとされた。

●主なM&A

・インボイスがダイナシティの新株予約権(MSSO)を、公開買付けによって28億2900万円で買収。
・ライブドア証券(現・かざか証券)を、アドバンテッジパートナーズが運営するAPFHへ譲渡。貸付債権などを含む実質的な売却額は約551億円。
・中古車販売子会社のライブドアオート(現・カーチス)をソリッドアコースティックスにTOBを通じて売却。売却額は約118億円。
・弥生の全株式をMBKパートナーズに710億円で売却。
・ぽすれんの全株式をゲオに5億6000万円で売却。
・セシールをTOBでフジ・メディアサービスに売却。売却額は83億円。
・メディアエクスチェンジの保有株式を日本SGIに売却。売却額は31億円。
・NHN Japan(現・LINE)にライブドア(現・LDH)を売却。

後編に続く

まとめ:M&A Online編集部