■山一證券(97年)

●概要

 山一證券は当時業界第4位で、いわゆる4大証券の一隅を占める企業だったが、売り上げ拡大のため、財テクに走った大手企業の運用資金に着眼。営業特金(顧客から資金を預かり一任勘定で運用するもの)に営業をシフトしたが、バブル崩壊で営業特金が1300億円の含み損に転じる。山一證券はこの損失を「飛ばし」で処理した。「飛ばし」とは、含み損の出た金融資産を自ら設立したペーパーカンパニーに売ることで簿外債務として処理する不正処理で、西日本新聞のスッパ抜きで問題が表面化した。全国の支店に払い戻しを求める客が殺到し、97年11月に自主廃業して倒産した。負債総額は約3兆5000億円とされる。

●その後

 山一證券の社員3分の2と28店舗が米国の大手金融業メリルリンチが設立した「メリルリンチ日本証券」に移籍・譲渡された。12年末、メリルリンチ日本証券は、メリルリンチPB証券の全株式を三菱UFJグループに売却し、日本国内のリテール部門から撤退した。現在は「三菱UFJモルガン・スタンレーPB証券」となっている。

■雪印(00年・02年)

1.集団食中毒

 00年6月から7月にかけて、近畿地方を中心に集団食中毒が発生。雪印乳業の乳製品(主に低脂肪乳)を飲んだ子供らが嘔吐(おうと)や下痢などの症状を呈した。発生源となった大阪工場が回収に応じなかったため、被害が拡大。食中毒の認定者数は1万4780人と戦後最大の集団食中毒事件となった。

2.牛肉偽装事件

 01年9月、北海道産の乳牛に牛海綿状脳症(BSE)の疑いがあると農林水産省が発表したため、国内産の牛肉の販売が控えられる事態となった。国は業者保護のため、国産の食用牛を買い上げる措置を講じた。雪印食品は、この補助金制度を利用して安価な輸入牛肉を国内産と偽って国に引き取らせ、2億円程度をだまし取った。これが内部告発で明らかになると、雪印食品に対する調査のメスが入り、BSE問題だけでなく、普段から輸入牛肉を国産と偽って販売していたことが発覚。牛肉だけではなく、豚肉も輸入肉を国産として販売していたことも判明し、会社ぐるみの犯行であることが暴露された。

●その後

 集団食中毒と牛肉偽装。相次いで不祥事が発覚したため、雪印のスノーブランドは地に落ちることになった。その結果、雪印食品は再建できず解散、雪印関連会社も相次いで売却された。

●主なM&A

・雪印物流(現・SBSフレック)をエスビーエスが約30億円で買収
・雪印ラビオ(現・カゴメラビオ)をカゴメが約30億円で買収
・雪印ベルフォーレ(現・シャトレーゼベルフォーレワイナリー)をシャトレーゼが4億円で買収
・雪印冷凍食品(現・アクリフーズ)をニチロ(現・マルハニチロ)が買収
・市乳事業は、全農、全酪連と事業統合し、日本ミルクコミュニティに分社化(09年に雪印乳業と経営統合し雪印メグミルクに)。