中国企業の経営者を紹介するシリーズ。今回は、総合家電大手、美的集団(マイディア・グループ)の創業者で、前会長の何享健(ホー・シアンジェン)を取り上げる。同社は2016年、産業用ロボットの世界的大手、独クーカを買収した。
産業用ロボット分野でM&Aの動きが表面化してきた。日本のロボットメーカーが他のロボットメーカーやロボット事業を買収する流れが強まる一方で、中国企業が日本のロボットメーカーを買収する動きも見え隠れし始めてきた。国際ロボット連盟の予測によると、産業用ロボットの稼働台数は2016年に180万台だったのが2020年には300万台に増えるという。旺盛な需要に支えられ、今後、企業買収などによる新規参入や事業拡大が活発化するのは間違いなさそうだ。
中国企業による日本企業の買収事例の第3回は、東芝の白物家電事業を買収した美的集団(マイディア・グループ)を取り上げる。美的集団は世界一の人口都市「珠江デルタ」で誕生した。この地域には、広州市、深セン市等が含まれ、香港やマカオにも近い。現在は数多くの外国企業が進出し、世界有数の製造業の集積地となっている。