今回、紹介するのは清水一行著「小説兜町(しま)」。半世紀以上も前の1966年に出版された経済小説の名作。今回、角川文庫から改版して発刊されることになった。今や歴史書ともいえる本書だが、兜町の今昔を知るうえで格好の一冊だ。
山一証券が破たんして今日で20年になる。1997年11月24日、自主廃業の届けを出し、四大証券の一角が崩れた。この1週間前には北海道拓殖銀行が行き詰まり、都市銀行として初めて破たんした。「悪夢の一カ月」を経て、業界版図は一気に塗り替えられることになった。