金融庁は3月2日の金融審議会総会に、株式公開買い付け(TOB)の対象拡大や大量保有報告制度における共同保有者の範囲の明確化などについて検討した。いずれも株式大量取得に関するルールで、2006年の改正以来17年ぶりの見直しとなる。
本件は、複数の株主によるウルフパック戦術を含む、経営支配権取得に向けられた「共同協調行為」の取扱いが脚光を浴びるきっかけとなり、限られた時間の中で買収防衛策を適切に運用しなければならない、という実務の難しさを改めて感じさせられた事案といえる。
複数の株主が協調関係にあることを隠し、時機を見て一斉に対象会社に攻勢をかけ、その要求を実現させる投資戦術のこと。
最高裁は7月28日、アダージキャピタルによる三ッ星株式取得に対する買収防衛策(新株予約権無償割当て)で買付者側の主張を認める決定を下しました。敵対的買収に詳しい柴田堅太郎弁護士・正木達也弁護士が本件における司法判断の概要とポイントを解説します