光陽社は8日、MBO(経営陣による買収)で株式を非公開化すると発表した。光陽社の犬養岬太社長が設立したKK(東京都中央区)がTOB(株式公開買い付け)を実施する。買付代金は約7億6900万円。光陽社は時価総額が月間10億円に満たず、かねて上場廃止の危機にある。現在は上場廃止の猶予期間入りの指定が解除されているが、再度、上場廃止基準に抵触する可能性が否定できないことから、株主に合理的な価格で株式を売却する機会を提供することが重要と判断したという。
デジタルハーツホールディングスは、メタップス傘下で中国ゲームメーカー向けにマーケティング支援を展開する中華圏事業の持ち株会社Metaps Entertainment Limited(英バージン諸島)の全株式を取得し、子会社化することを決めた。ゲームメーカーが海外展開する際に必要不可欠な総合ローカライゼーション(現地化)サービスをワンストップで提供する体制構築が可能になると判断した。取得価額は21億6500万円。取得予定日は2021年3月29日。
名古屋鉄道は、金沢名鉄丸越百貨店(金沢市。売上高117億円、営業利益△2億5400万円、純資産△17億2000万円)と金沢スカイホテル(同。売上高8億2600万円、営業利益△3800万円、純資産△9億7500万円)の子会社2社の全株式を、ディスカウントスーパー運営のヒーロー(茨城県牛久市)に譲渡することを決めた。両社は慢性的な赤字体質が続いており、経営権を手放し、事業再生・収益改善の可能性や従業員の雇用維持を託すことにした。譲渡価額は非公表。譲渡予定日は2021年3月31日。
燦キャピタルマネージメントは、不動産事業のセブンスター(東京都港区。売上高2億8300万円、営業利益△2700万円、純資産1億2400万円)を株式交換により子会社化することを決めた。投資事業の一環で、取得資産の多様化とストック収入モデルの強化につなげる狙い。
ピースリーは、IoT(モノのインターネット)製品の販売を手がけるシンガポール子会社TRANZAS ASIA PACIFIC PTE.LTD.(売上高192万円、営業利益△3480万円、純資産1270万円)の全株式を、同社代表で、ピースリー社長・CEO(最高経営責任者)の藤吉英彦氏に譲渡することを決めた。DX(デジタルトランスフォーメーション)化が進展する東南アジアでの事業展開を目的に2017年に設立したが、新型コロナウイルス感染拡大の影響が重なり、業績浮揚が見込めない状況にあった。こうした中、事業責任者だった藤吉氏がMBO(経営陣による買収)の形で株式を買い取ることになった。
トーアミは、型枠工事を主力とする専門工事業の渡部建設(浜松市。売上高14億1000万円、営業利益9390万円、純資産1億8200万円)の株式80%を取得し子会社化することを決めた。鉄筋を溶接で組んだワイヤーメッシュ(溶接金網)の敷込工事(設置工事)の受注機会の拡大につなげる。2021年4月1日に株式50%(持ち分法適用関連会社化)、続いて2022年4月1日に30%を2段階で取得する。取得価額は非公表。
フリーは、電子契約サービス「NINJA SIGN」を展開するサイトビジット(東京都千代田区。売上高7億8200万円、営業利益△1億3600万円、純資産△1億9000万円)の株式約70%を取得し、子会社化することを決めた。急成長する電子契約市場に参入し、統合クラウドERP(基幹業務システム)で法務契約業務をカバーするとともに、会計、ワークフロー、人事労務と契約を一体で効率的に管理できる仕組みの構築を目指す。
コシダカホールディングスは、大庄のカラオケ事業を取得することを決めた。首都圏でのドミナント(集中出店)戦略の一環。取得する対象43店舗のうち32店舗が1都3県にある。取得価額は非公表。取得予定日は2021年4月30日。
朝日インテックは、国立がん研究センターの認定ベンチャーで腹腔鏡手術支援ロボットの開発に取り組むA-Traction(千葉県柏市。売上高-、営業利益△2億2500万円、純資産3億100万円)を子会社化することを決めた。株式を追加取得し現在14.94%の持ち株比率を100%とする。自社の医療機器分野の技術・ノウハウとA-Tractionが持つロボティクス技術を融合し、消化器領域にとどまらず、他の診療領域などを含めて、新たな医療ロボット開発を目指す。
協和日成は、ガス工事や冷暖房・給排水衛生設備工事を手がけるガイアテック(東京都立川市。売上高7億2300万円、営業利益5110万円、純資産3億9500万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。戸建住宅の総合設備一括受注体制の拡大につなげる。取得価額は非公表。取得予定日は2021年4月1日。
SMNは三陽商会傘下でラグジュアリーブランドのEC(電子商取引)システムの構築・運用などを手がけるルビー・グループ(東京都渋谷区。売上高17億1000万円、営業利益1億8800万円、純資産6億6200万円)の全株式を取得することを決めた。顧客にマーケティング業務を一気通貫で提供できるバリューチェーンの拡大につなげる。SMNはソニーグループの一員で、最先端のインターネット広告配信サービスを展開している。取得価額は16億300万円。取得予定日は2021年3月25日。
建設機械レンタルのニッパンレンタルは11日、MBO(経営陣による買収)で株式を非公開化すると発表した。同社の石塚春彦社長が設立した赤城(前橋市)が1株1050円でTOB(株式公開買い付け)を実施する。買付代金は約20億円。建設現場のICT化(施工の情報化)や中長期的な公共投資の減少などを見据え、大胆な事業構造改革を進めるには非公開化が望ましいと判断した。
野村総合研究所は豪州の地域統括会社を通じて、ITテスティング事業大手の現地Planit Test Management Solutions Pty Ltd(シドニー)の持ち株会社SQA Holdco Pty Ltd(シドニー)の全株式を取得し子会社化することを決めた。豪州事業の基盤拡大が狙い。取得価額は非公表。2021年4月中に取得完了を見込む。
デジタルハーツホールディングスは米国子会社を通じて、システムコンサルティング事業を手がける現地MK Partners,Inc.(カリフォルニア州)の株式61.2%を取得し、12日付で子会社化した。MK Partnersは米salesforce.comが提供するクラウド型顧客管理システム「Salesforce」の認定パートナーとして官公庁や金融、ヘルスケア分野を中心にカリフォルニア州で実績を積んでいる。取得価額は非公表。