会計事務所とは?税理士法人との違いや業務内容、公認会計士のM&Aでの役割を解説

alt

2.【まるわかり業界研究】会計事務所について

2.1 市場規模

日本標準産業分類によると、税理士事務所は「サービス業」「学術研究、専門・技術サービス業」に分類されます。現在は調査区分が変更となったため、2017年と少し古い情報になりますが、「公認会計士事務所、税理士事務所」の市場規模は1.7兆円でした(総務省統計局、2018年)。

年間売上高の推移(学術研究、専門・技術サービス業)
総務省統計局「サービス産業動向調査(2018年)」より一部加工

「公認会計士事務所、税理士事務所」とは、公認会計士や税理士の資格を持つ専門家が企業や個人の税務・会計に関するサービスを提供している事務所のことで、ひとまとめに「会計事務所」という場合もあります。

公認会計士事務所と税理士事務所を合計した事業所数は2016年時点で26,733と、2001年の33,717からの15年間で集約が進んでいることが見て取れます(経済センサスより)。なお会計事務所の数は、全国の郵便局の数(24,251、2023年3月31日時点)とほぼ同程度です。

公認会計士・税理士事務所数の推移
経済センサスを基に作成

2.2 会計事務所と税理士事務所の違いとは

会計事務所の所長(トップ)は、会計の専門家である公認会計士の有資格者と税務の専門家である税理士の有資格者に分かれます。公認会計士は税理士試験の免除制度を利用することで所定の研修を受ければ税理士の登録ができますが、税理士には公認会計士の免除制度はありません。

税理士法第40条2項は、「税理士が設けなければならない事務所は、税理士事務所と称する」と定めています。したがって、税理士が設立するすべての事務所の正式名称は「税理士事務所」であり、「会計事務所」はあくまで屋号であって俗称です

つまり、税理士事務所と会計事務所は、名称が違っているだけで実質的な違いはなく、業務の性質は基本的に同じと考えてよいでしょう。

税理士がわざわざ「会計事務所」と名乗るのは、自分の事務所が税金関係以外の業務も担い、「会計・税務」両方の専門家であることを対外的に示し、他の純粋な税理士事務所とは異なることを強調するためと考えられます。

実際に税理士の事務所の多くは、税金に関する業務以外に、中小企業や小規模事業者の会計処理や決算書の作成、会計・経営のコンサルティングなどを請け負っています。自社サービスの門戸の広さをアピールするには、「税理士事務所」より「会計事務所」と名乗る方が得との計算意識が働いているようです。

M&A、事業承継に関するご相談

株式会社ストライクでは、経営戦略上の一つの選択肢として、M&A、事業承継をご提案しております。

すぐ必要ではないものの、将来的な選択肢として、M&Aをお考えの経営者様も、まずはお気軽にご相談下さい。

*@maonline.jpドメインからのメールが受信できるよう設定してください。