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2つの北海道銀行の共通点|ご当地銀行の合従連衡史

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中村昌寛

現在の北海道銀行と消滅した北海道銀行は、別の組織です。現在の北海道銀行が創業したのは先述のとおり、もう1つの北海道銀行が北海道拓殖銀行に吸収合併されてから7年後のこと、第2次世界大戦後のことです。

2つの北海道銀行に共通する「北陸」とのつながり

組織はまったく異なるのですが、2つの北海道銀行には共通することがあります。それは「北陸」とのつながりです。

消滅した北海道銀行のもとをたどっていきましょう。1894年に設立された余市銀行は、当時、漁業での資金供給を目的に、往時は“ニシン御殿”と呼ばれた銀鱗荘(現在は小樽に高級旅館として移築されている)を建造した猪股安之丞と、旧下ヨイチ運上家(運上家とは江戸時代、松前藩が行っていたアイヌ民族との交易を請け負った商人が経営の拠点とした建物)の経営者だった林長左衛門が出資して設立した銀行です。

消滅した北海道銀行は余市から小樽、さらに北海道と、その銀行名をまるで出世魚のように大きくしていきますが、その牽引役、背景としては、ニシン漁、昆布の流通など漁業の集積地であった小樽の“商都としての底力”があったのです。

その小樽商業の隆盛は、金融史をたどるとき、現在は「金融資料館」となっている日銀旧小樽支店が外せない存在であることからも頷けます。

そして、その小樽商業における海産物などの流通地として外せないのが「北陸」です。それは日本列島の主要な流通ルートが、北前船による日本海航路にあった時代にさかのぼることができます。海産物・漁獲物の流通とともに、北海道への移住など、人の交流も北陸は北海道と古くから密接な関係にありました。

戦後、別の組織として設立された北海道銀行も、現在は北陸銀行と経営統合した「ほくほくフィナンシャルグループ」の一翼を担っています。最近では2017年1月に、ほくほくTT証券の営業がスタートしました。北海道・北陸地区では地銀系で初となる証券会社がスタートしたのです。

文:M&A Online編集部

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