コロナ禍をはじめ、現在起きていることを見ると、人類史上でも大きな節目となる転換期なのかもしれない。このような節目は一種の苦だが、同時に貴重な体験であり、自らもこの変化に積極的に関わっていく姿勢も必要である。その時、求められる心のあり方とは?
佐藤一斎の『言志耋録』のはしがきに「私は今年で80歳…中略…息をしている限り学ぶことをやめてはいけない。一条ずつ執筆して本書を編んだ。これを耋録とする」と記した。その死生観に『言志四録』を愛読し、49歳で早逝した西郷隆盛は何を見たのか。