日本製鉄によるUSスチールの買収に、米国内から反対の声が聞こえてくる。中国勢からの安価な鉄鋼輸入に押されて青息吐息のUSスチールを救済し、世界シェアを上げると同時に米国内で回復する鉄鋼需要を取り込む「Win-Win」のM&Aのはずなのだが…
米国である電池が国論を二分している。その電池とはEV用の「リン酸鉄リチウムイオン(LFP)電池」。フォードが中国CATLの技術供与を受けて米国で生産する準備を進めている。そこにライバルの米GMから横やりが入った。米国優先の政策で内輪もめだ。
ついに日産自動車が念願だった仏ルノーからの出資比率引き下げを勝ち取った。ルノーは日産株の28.4%をフランスの信託会社に預けて、持ち株比率を15%に引き下げる。まさに「ハッピーエンド」だろう。ただし、日産がルノーと縁を切るつもりならば、だ。
常識を覆す新施設を備える「マツダスタジアム」。実はこの革新的な球場はM&Aの「遺産」である。今回は「買われた側」の物語だ。国内大企業が初めて海外企業の傘下に入り、日本を震撼(しんかん)させた米フォード・モーターによるマツダ支配を振り返る。