2025年のTOB(株式公開買い付け)件数が100件(届け出ベース)に到達した。前年は年間で100件ちょうどだったが、今年は3カ月半を残して100件の大台に2年連続で乗せた。これまで最多の2007年104件を超えるのは時間の問題だ。
TOB(株式公開買い付け)が最速で増加中だ。2025年は4カ月あまりで50件(届け出ベース)に到達し、前年よりも3カ月ペースが速い。前年の年間件数は100件ちょうどで、過去最多の2007年(104件)以来17年ぶりに100件の大台に乗せた。今年はさらに勢いを増しており、最多更新が有力視される。
2024年の上場企業によるMBO(経営陣による買収)は早くも10件(届け出ベース)に達し、5年連続で2ケタに乗せた。このままいけば、過去最多だった2011年21件を13年ぶりに更新する可能性がある。何が経営者をMBOに駆り立てているのか。
上場維持基準を未達でも暫定的に上場を認める「経過措置」が2025年3月以降に順次終了する。措置終了後1年たっても基準を満たさないと上場廃止となる。上場維持基準への抵触を引き金とするTOB(株式公開買い付け)が広がる気配が見え隠れする。