尾家産業は業務用食品卸の大手で、外食、中食、給食向けに幅広く事業を展開している。ウェルユー・ミール東日本(茨城県土浦市)が持つ顧客基盤を取り込むことで、販路拡大や介護施設向けなどヘルスケア分野での事業ノウハウの共有・強化につながると判断した。ウェルユー・ミール東日本が当該事業を会社分割して設立した新会社「ウェルユー・フード」(同)の全株式を取得する形となる。取得価額は9300万円。取得予定日は2025年3月3日。
イチネンホールディングスはグループ傘下でガラス製品の製造・販売を手がける新光硝子工業(富山県砺波市)との間で技術開発面の連携や原材料調達などでのスケールメリットの拡大といった相乗効果を見込む。日石硝子工業(富山県高岡市)の当該事業(売上高6億7400万円、営業利益6800万円)を会社分割して設立される同名の新会社の全株式を取得する形とする。取得価額は非公表。取得予定日は2025年3月31日。
ラクスが譲渡するのはインターネット接続事業とホスティング(サーバーの貸し出し)サービス事業の2事業。グループ内で経営資源の効率化・集中化を進める中で、当該事業の成長を促進させるためにはこの分野で実績を持つライド(東京都千代田区)に運営を託すことが最適と判断した。ラクスはクラウド事業とIT人材事業を経営の両輪とする。
AMGホールディングスは東海地区を地盤に分譲マンションや分譲住宅などの不動産事業を主力とするが、建設事業も手がけており、中央建設(東京都港区)を傘下に収め、首都圏での受注体制を強化する。グループ企業のアーキッシュギャラリー(名古屋市)の東京支店が企画・設計監理、中央建設が施工を担う協働体制を目指す。
トーアミは建設用コンクリート補強用溶接金網のトップメーカーだが、2021年に渡部建設(浜松市)を傘下に収めるなど土木建築工事分野に本格進出しており、その一環。エアード(静岡県牧之原市)は2001年設立で、公共工事の元請けの経験も持つという。同じ県内同士でもある渡部建設と事業領域が重なり、グループ全体での受注機会増加やサービスレベル向上を見込む。エアードは売上高2億5600万円、営業利益2070万円、純資産△1350万円(2024年7月期)。
AI(人工知能)を活用した販促サービスを開発・提供するAppier Groupは、フランスADYOUNEED SAS(パリ)の広告に特化した生成AIプラットフォームを取り込み、製品開発の加速につなげる。広告関連データの獲得や欧州での事業拡大も見込んでいる。ADYOUNEEDは最適な広告を自動生成できるAI搭載プラットフォーム「AdCreative.ai」を提供している。ADYOUNEEDは売上高24億1000万円、営業利益△5億9800万円、資産合計6億6600万円(2023年12月期)。取得価額は約42億2200万円。取得予定日は2025年3月4日。
再生可能エネルギー発電施設の開発・運営を手がけるレノバは、持ち分法適用関連会社の御前崎港バイオマスエナジー(静岡県御前崎市)の出資持ち分を38%から56%に引き上げて、子会社化した。御前崎港バイオマスエナジーは、2025年1月に運転を開始した木質バイオマス発電所「御前崎港バイオマス」の運営事業者。レノバは共同出資者との「持ち分譲渡に関する覚書」に基づき、発電所完成後に一部共同出資者の持ち分を譲り受ける権利を保有しており、今回その権利を行使した。御前崎港バイオマスエナジーは営業利益△700万円、純資産252億円(2024年3月期)。取得価額は10億9800万円。取得日は2025年2月12日。
梱包・運輸事業を手がけるサンリツは、2015年に運送代理店業務の山立国際貨運代理(上海)有限公司(上海市)を子会社化し、梱包を軸にした国際物流事業を展開してきた。しかし、コロナ禍や主要顧客の生産体制見直しなどの要因から、期待する利益水準を下回る状況が続いていたため、経営資源の選択と集中の一環として譲渡することにした。譲渡先は現地の梱包・包装会社で、サンリツは中国での事業から撤退する。山立国際貨運代理は売上高3億4700万円、営業利益1560万円、純資産1億2900万円(2024年3月期)。
コンテンツ配信事業を手がけるエムティーアイは、ヘルスケア事業や学校DX(デジタルトランスフォーメーション)事業に注力する中、経営資源の配分の一環から占い事業を譲渡することにした。対象となるのは電話占い、オンライン占いなどのサービスで、直近売上高は3億3000万円(2024年4月期)。譲渡先のコンコース(東京都渋谷区)はオンラインで占いサービスを提供するザッパラスの子会社。譲渡価額は4500万円。譲渡予定日は2025年4月1日。
富士通は、デジタル技術とデータを駆使したDX(デジタルトランスフォーメーション)企業への変革を進める中で、FDKの電池・電子事業を非中核事業と位置付け、売却先を探していた。譲渡先のSILITECH TECHNOLOGY CORPORATIONは、台湾電子部品大手のPSAグループの傘下企業。SILITECHは、TOB(株式公開買い付け)を通じて富士通が保有する約59%のうち45%を取得し、FDKを持ち分法適用関連会社とする。中華圏やその他アジア、欧米での販売チャンネルを活用し、FDKの新規顧客獲得を支援する。また、調達・製造分野の効率改善や、電池と電子製品を組み合わせたモジュールユニットの開発などでの相乗効果を見込む。SILITECHによる買付代金は約67億5400万円。買付価格は1株につき435円。TOB公表前営業日の終値640円に対して32.03%のディスカウントとなる。TOB終了後もFDKの東証スタンダード市場への上場は維持される。
カヤックは2022年にeスポーツ周辺領域への投資の一環として、eスポーツスクール事業を手がけるeSP(東京都新宿区)を子会社化したが、同社経営陣からグループを離れて独自の成長戦略を推し進めたいとの申し出を受けた。グループ間の相乗効果が限定的であることや、投資と回収の適切な循環サイクルを保つ観点などから、譲渡を決めたという。
カー用品販売大手のオートバックスセブンはモータースポーツ活動に力を入れており、その一環。傘下に収めるユータムエンタープライズ(東京都渋谷区)は1988年設立で、オートバックスセブンがスポンサーを務めるレーシングチーム「ARTA」や国内最大の観客動員数を誇る自動車レース「SUPER GT」のプロモーション活動を手がける。
OKIはリコーと東芝テックが2024年7月に複合機やプリンターなど事務機の開発・生産部門を統合して設立したエトリア(横浜市)に参画する。会社分割などの手続きにより国内外でのプリンターの開発・生産事業をエトリアに2025年10月1日付で統合する。ペーパーレス化の進展で事務機市場の縮小に向かう中、統合各社の技術の融合や、キーパーツや材料などの共通化による開発の効率化を実現し、OKI商品の競争力向上につなげる。
情報戦略テクノロジーは大手企業向けのDX(デジタルトランスフォーメーション)内製支援事業を主力としている。情報インフラ系のSES(システムエンジニアリングサービス)に強みを持つエー・ケー・プラス(東京都港区)を傘下に取り込むことで、DX内製支援に関する事業機会の拡充につなげる狙い。エー・ケー・プラスは2005年に設立。
セーフィーはカメラとAI(人工知能)を活用した交通量、人流などの調査サポートサービス「Safie Survey(セーフィーサーベイ)」を展開している。サイバーエージェントから同種のサービスを取り込むことで、「Safie Survey」の提供範囲やメニューの拡充につなげる。
エイチームはスマホ向けゲームアプリや比較サイト・情報メディアの運営を主力とするが、未開拓市場である経済系メディアを取り込むことで、新たな法人顧客の獲得につながると判断した。ストレイナー(東京都渋谷区)は2017年設立で、若手ビジネスパーソンを主なターゲットとする「Strainer」のほか、上場企業財務データベース「Finboard」を運営している。
フォーサイドはデジタルコンテンツの配信事業を主力とするが、積極的なM&Aや新規事業展開で多角化を進めており、その一環。antz(東京都千代田区)を傘下に取り込み、IT人材を企業に派遣するSES(システムエンジニアリングサービス)分野に本格的に進出する。antzは2005年設立で、人材派遣・業務請負事業のほか、運送事業やITソリューション事業を手がける。
CYBERDYNEはモビリティー分野の事業加速を目的に2023年3月、二輪車レースのホンダチーム「PETRONAS MIE Racing Honda Team」を運営するドイツLeyLine GmbH(ノルトライン・ヴェストファーレン州)を子会社化した。しかし、LeyLineの成長には継続的な投資が不可欠なうえ、単独での収益基盤の確立には時間を要する状況にあった。
STIフードホールディングスは水産食品メーカーとしての業容拡大が狙い。子会社化する浜信(東京都中央区)は水産加工食品販売会社。同社は傘下に漬魚・煮魚などの水産加工物や弁当・総菜の著名ブランドとして知られ、今年で創業100年を迎える「味の浜藤」(東京都江東区)を抱える。取得価額は非公表。取得予定日は2025年4月1日。浜信の全株式を取得する。
阪急阪神リート投資法人はTOB(公開買い付け)について事前に協議の申し入れはなく、一方的に行われたとしている。TOBを開始した3Dインベストメント・パートナーズは阪急阪神リートの投資口の取得理由に関し、安定した分配が見込めるだけでなく、保有する魅力的なポートフォリオに対して市場で割安に評価されているとし、純投資を目的に現在1.34%の所有割合を最大15%まで買い増しを目指す。
カオナビはリクルートホールディングスの持ち分法適用関連会社で、人材マネジメントシステム「カオナビ」の提供を主軸とする。雇用の流動化を背景に適材適所の人材配置・活用が求められる中、人材マネジメントシステムに対するニーズが大きく膨らむ一方で、他業態からの参入などで競争環境も激しさを増しており、株式の非公開化で中長期の視点で事業の変革を進める。
トレードワークスは証券インターネット取引システムの開発を中心に事業を展開する。新たに、さまざまな金融商品について適切な取引機会をリアルタイムで提供するアドバイザリーサービスを始めることにしており、その一環として投資助言・代理業の許認可を持つ業者を求めていた。
AnyMind Groupはマーケティング支援やEC(電子商取引)支援を主力とする。eギフト市場の拡大を見据え、既存事業とも親和性が高いと判断し、AnyReach(東京都中央区)を子会社化することにした。AnyReachは2021年設立で、同社が開発・運営するeギフトサービス「AnyGift」は相手の住所を知らなくてもSNSやメールを通じてギフトを贈れる機能を自社ECサイトに簡単に導入でき、販売から3年弱で利用企業は700社を突破したという。
サイバーセキュリティクラウドは自社開発製品によるサイバーセキュリティー事業を展開している。DataSign(東京都新宿区)が持つデータプライバシーに関するノウハウを取り込むことで、データ保護関連法制への準拠を実現する統合セキュリティーソリューション需要への対応が可能になるという。DataSignは2016年設立で、法人向け同意管理ツール「webtru」、個人向けプライバシー保護アプリ「Bunsin」などを主力製品とする。同社は売上高1億9500万円、営業利益2100万円、純資産1億1900万円(2024年3月期)。
アミューズはグループの中核をなすアーティスト事業や、今後成長が期待されるコンテンツ事業と海外事業に経営資源を集中させるのに伴い、音楽配信を中心とするレーベル事業を担ってきたA‐Sketch(東京都渋谷区)を切り離すことにした。A‐Sketchは2008年設立で、アミューズ66%、KDDI34%の出資構成で運営してきた。譲渡先は音楽・映像ソフト制作のユニバーサルミュージック(東京都渋谷区)。
TOYO TIREは、中国市場での乗用車・ライトトラック用タイヤの製造・販売を目的に2010年にTOYO TIRE ZHANGJIAGANG CO.,LTD.(TTZ、江蘇省)を設立したが、ブランドや商品力の浸透が想定より進まず、現地生産のメリットを生かせない状況が継続していたことから、中国事業のあり方を見直す。
クリヤマホールディングスはゴム・樹脂製品技術をベースに産業資材事業とスポーツ・建設資材事業を展開しており、その中長期的な事業拡大や競争力強化の一環としてかねて取引関係にあったミトヨ(東京都中央区)を取り込むことにした。ミトヨは1965年設立で、主に自動車用ゴム・樹脂製品や金属製品の製造を手がけ、タイと中国に現地生産子会社を持つ。同社は売上高104億円、営業利益4600万円、純資産50億7000万円(2024年3月期)。
大栄環境は廃棄物の収集運搬から中間処理・再資源化、最終処分までをトータルに展開する。今回子会社化するクリーンテック名張(三重県名張市)は1994年設立で、三重県の名張市と伊賀市南部で一般廃棄物の収集運搬を手がけている。大栄環境は伊賀市内にリサイクル事業を営む子会社の三重中央開発を持っており、クリーンテック名張との連携を進め、同エリアの自治体との関係強化や取引拡大につなげる。クリーンテック名張は売上高1億2300万円、営業利益700万円、純資産3600万円(2024年3月期)。
リビングプラットフォームは認知症対応型共同生活介護事業所、有料老人ホームなど92の介護施設を北海道、東北、首都圏、関西で運営している。エコ(福島県郡山市)が福島県内で運営する高齢者グループホーム事業の一部(7施設・計126室)を取得することで、同県でのドミナント(地域集中出店)戦略の強化と東北地方におけるシェア拡大につなげる狙い。
三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)は2024年度にスタートした現行の中期経営計画で「国内リテール顧客基盤の強化」をグループの主要戦略の一つとして掲げており、その具現化の一環。全保連に対するTOB(株式公開買い付け)はクレジットカード子会社の三菱UFJニコス(東京都文京区)を通じて実施する。連結子会社化を目的とし、50.1%の株式取得を目指す。全保連の東証スタンダード市場への上場は維持される。
あいホールディングスは2024年9月に、同じくビジネスホンを主力製品とする岩崎通信機(東京都杉並区。東証スタンダード市場への上場廃止)を子会社化した。ビジネスホン市場はサテライトオフィス化や在宅勤務の進展を背景に縮小に向かっており、ナカヨをグループに取り込むことでビジネスホン開発の一体化による効率化を推し進めるとともに、IoT(モノのインターネット)やAI(人工知能)を活用した新製品・サービスの育成を加速する狙い。