1週間のM&A速報まとめ（2023年5月29日〜2023年6月2日）

2023年5月29日

ランドビジネス＜8944＞、紳士服縫製のジェンツを子会社化

ランドビジネスは、紳士服縫製のジェンツ（福島市）の全株式を取得し、子会社化することを決めた。紳士服事業の拡充の一環。ランドビジネスは2021年に、メーカーズシャツ鎌倉（神奈川県鎌倉市）から紳士重衣料（コート、スーツ、ジャケット）とトラウザーズ（スラックス）のカスタムオーダー事業を取得し、紳士服事業に参入した。ジェンツは1969年創業で、福島市と埼玉県春日部市に2つの縫製工場を持つ。取得価額は非公表。取得予定日は2023年7月3日。

エレコム＜6750＞、美容・調理家電メーカーのテスコム電機を傘下に持つティーエスシーを子会社化

エレコムは美容・調理家電メーカーのテスコム電機（東京都品川区）を傘下に置く持ち株会社のティーエスシー（同。売上高100億円、営業利益7億500万円、純資産78億7000万円）の全株式を取得し、子会社化することを決めた。新規事業のテーマとしている「家電」領域の垂直立ち上げにつなげる。取得価額は99億2000万円。取得予定日は2023年7月26日。

2023年5月30日

ジャパンディスプレイ＜6740＞、JOLEDから有機ELディスプレーの開発事業を取得

ジャパンディスプレイ（JDI）は、3月末に経営破綻したJOLED（東京都千代田区）から有機ELディスプレーの開発事業を取得することを決めた。製造・販売部門は対象とせず、技術・開発部門の従業員約100人を雇用する。5月に設立した受け皿会社が事業を引き継ぐ。JOLEDが持つ有機ELに関する知的財産権やノウハウを取り込むことは、JDIが開発した次世代有機EL「eLEAP」を中核とする成長戦略の拡大と加速に寄与すると判断した。取得価額は10億円。取得予定日は2023年6月30日。

モバイルファクトリー＜3912＞、位置情報共有SNS「NauNau」運営のSuishowを子会社化

モバイルファクトリーは、位置情報共有SNS「NauNau」を運営するSuishow（東京都武蔵野市。売上高100万円、営業利益△300万円、純資産3100万円）の株式82.86％を取得し、6月12日付で子会社化することを決めた。取得価額は8億2951万5000円。Suishowは2021年5月に創業したスタートアップ企業。モバイルファクトリーは全国に9000カ所以上ある駅を対象とした位置ゲーム「駅メモ！」シリーズなどを展開しており、位置情報技術に強みを持つSuishowを傘下に取り込み、新たなサービス展開などにつなげる。

ベルテクスコーポレーション＜5290＞、貯水槽製造のカナサシテクノサービスを子会社化

ベルテクスコーポレーションは傘下企業を通じて、鋼製耐震性貯水槽（防火水槽）や飲料水兼用水槽を製造するカナサシテクノサービス（静岡市）の全株式を取得し、子会社化することを決めた。防火水槽事業の強化や、鋼製型枠・インフラ補強材の内製化など新たな収益機会の獲得につなげる。カナサシテクノサービスは2005年に設立。取得価額、取得予定日は未確定。

ひかりホールディングス＜1445＞、タイル・修繕工事のKIRYU JAPANホールディングスを子会社化

ひかりホールディングスは、タイル工事や修繕工事を手がけるKIRYU JAPANホールディングス（さいたま市。売上高13億5000万円、営業利益3680万円、純資産2億200万円）の全株式を取得し、子会社化することを決めた。KIRYU JAPANは持ち株会社で、傘下に事業子会社の輝龍（同）を置く。KIRYU JAPANの野村晃一社長が体調問題などから経営の継続が難しいとして、事業承継の打診があったという。マンションなどの大規模改修にかかる修繕需要を取り込み、業容拡大につなげる。取得価額は非公表。取得予定日は2023年5月31日。

日野自動車＜7205＞と三菱ふそうトラック・バス、2024年12月までに経営統合で基本合意

日野自動車と三菱ふそうトラック・バス（川崎市）は30日、経営統合することで基本合意したと発表した。2024年12月末までの統合を目指す。商用車の開発、生産や、水素をはじめとした先端技術開発で協業し、世界市場での競争力を高める。統合持ち株会社の傘下に日野と三菱ふそうを置き、持ち株会社が東証プライム市場と名証プレミア市場に上場する予定。日野はエンジン性能試験をめぐるデータ不正の発覚を受け、2023年3月期決算は多額の補償費用に迫られ1176億円の最終赤字となった。

GTホールディングス＜5883＞、腕時計・バッグEC販売のブルークウォッチカンパニーを子会社化

GTホールディングスは傘下企業でブランド品買い取り・販売を手がける宝美堂（大阪市）を通じて、腕時計・バッグなどを自社EC（電子商取引）サイトを中心に販売するブルークウォッチカンパニー（大阪市。売上高19億7000万円、営業利益2700万円、純資産2億円）の全株式を取得し、子会社化することを決めた。中古品の取り扱い増につながるなど相乗効果が高いと判断した。ブルークウォッチカンパニーは2014年に設立。取得価額は非公表。取得予定日は2023年6月1日。

2023年5月31日

Casa＜7196＞、マンション管理アプリ企画開発のGoldKey Co.,Ltdを子会社化

Casaは、マンション管理アプリ企画開発のGoldKey Co.,Ltd（名古屋市。売上高1億9900万円、営業利益△5100万円、純資産△1億4700万円）の株式36.2％を追加取得し、子会社化することを決めた。現在14.3％の持ち株比率を50.5％に引き上げる。Casaは2022年9月にGoldKeyに資本参加し、不動産管理会社や自主管理家主向けの入居者対応サービスやアプリの共同開発に取り組んできた。GoldKeyを傘下に取り込み、一層の相乗効果を見込む。取得価額は非公表。取得予定日は2023年6月6日。

日清紡ホールディングス＜3105＞、日立国際電気を子会社化

日清紡ホールディングスは、無線機器・映像機器の製造を主力とする日立国際電気（東京都港区。売上高671億円、純利益52億5000万円、純資産487億円）の株式80％を取得し、子会社化することを決めた。日清紡傘下の日本無線（東京都中野区）と技術・販売の両面で補完関係にあり、DX（デジタルトランスフォーメーション）の進展で需要拡大が見込まれる無線・通信事業の強化につなげる。取得価額は約370億円（既存借入金の返済などを含む。うち株式取得分は192億円）。取得予定日は2023年7月31日。

ナック＜9788＞、賃貸マンションなどの原状回復工事を手がけるキャンズを子会社化

ナックは、賃貸マンションなどの原状回復工事（クロス張り替え、床工事など）を手がけるキャンズ（横浜市。売上高3億6400万円、営業利益△0百万円、純資産1億3800万円）の全株式を取得し、31日付で子会社化した。ハウスクリーニング事業の拡大や原状回復工事の内製化による外注費抑制、法人営業の強化などにつなげる。キャンズは2003年に設立。取得価額は非公表。

学研ホールディングス＜9470＞、知育玩具・学び文具子会社の学研ステイフルを日本出版販売に譲渡

学研ホールディングスは、知育玩具や学び文具を開発・販売する全額出資子会社の学研ステイフル（東京都品川区）の株式51％を、出版物取次大手の日本出版販売（東京都千代田区）に譲渡することを決めた。学研は引き続き49％の株式を保有する。「知育」「学び」事業領域の強化や、海外ネットワークを活用したグローバル展開など、学研・日販両グループの経営資源を活用した相乗効果の創出を目指す。譲渡価額は非公表。譲渡予定日は2023年7月1日。

平山ホールディングス＜7781＞、ブリヂストン＜5108＞傘下で構内請負のブリヂストングリーンランドスケープを子会社化

平山ホールディングスは、ブリヂストン傘下で構内請負のブリヂストングリーンランドスケープ（BSGL、福岡県朝倉市。売上高18億7000万円、営業利益1億5800万円、純資産3億8100万円）の全株式を取得し、子会社化することを決めた。BSGLは1972年設立で、ブリヂストンの九州4工場（久留米、北九州、鳥栖、甘木）でタイヤ・スチールコード製造にかかる付帯業務の請負業務に携わる。平山は製造業の構内請負を主力事業の一つとしており、業容拡大につながると判断した。取得価額は非公表。取得予定日は2023年7月3日。

2023年6月1日

ナガホリ＜8139＞、浅井商店から松坂屋名古屋店を中心とする宝飾品販売事業を取得

ナガホリは、浅井商店（名古屋市）から宝飾品販売事業を1日付で取得した。コロナ影響下での経費削減を主体とした守りの経営から、収益力強化を主眼とする攻めの経営に転じる施策の一環。取得するのは浅井商店が長年取引する松坂屋名古屋店宝石サロンの店頭販売・外商販売を中心とする事業。ナガホリは新たな富裕層マーケットの獲得を期待している。浅井商店は1925（大正14）年に個人創業し、1962年に法人化した。取得価額は非公表。

シダー＜2435＞、山梨市での有料老人ホーム事業を譲渡

シダーは、山梨市に持つ介護付き有料老人ホーム「ラ・ナシカやまなし」（定員29人）の運営に関する権利を譲渡することを決めた。同施設は2012年に開設したが、業績低迷が続いていた。直近業績は売上高1億100万円、営業赤字2100万円。山梨県内で新たに有料老人ホーム事業を計画する企業から譲渡の打診があったという。譲渡予定日は2023年8月1日。

2023年6月2日

中小企業ホールディングス＜1757＞、エンジンオイル製造・販売子会社のJPマテリアルを経営陣に譲渡

中小企業ホールディングスは、エンジンオイル製造・販売子会社のJPマテリアル（東京都千代田区。売上高4550万円、営業利益△3850万円、純資産△2億2900万円）の全株式を、同社社長の茂貴恒氏に2日付で譲渡した。構造改革の一環で、非中核事業との位置づけによる。譲渡価額は1000万円。

ビジョン＜9416＞、各種SNS運用・サポートのZORSEを子会社化

ビジョンは、LINEをはじめ各種SNS運用・サポートのZORSE（仙台市）の株式60％を取得し子会社化した。SNSアカウント運用代行、ミニアプリ、関連システムの開発などで競争力のあるサービスの提供につなげる。ZORSEは2020年2月に設立。取得価額、取得日は非公表。