相互銀行から普通銀行に転換した第2地銀ながら、道内トップ地銀としての営業基盤を持つ北洋銀行。破綻した北海道拓殖銀行の受け皿となって以降、事業を急拡大させてきた。
北海道拓殖銀行は1997年11月に都市銀行で初めて経営破綻した。巨額の不良債権を抱えて行き詰まった。その13代目にして「最後の頭取」を務めたのが著者。特別背任罪で実刑判決を受け、1年7カ月服役した。大手銀行のトップで収監された例は他にない。
日本各地の「地銀」のルーツをたどってみよう。そのM&A―合従連衡の歴史をひも解けば、銀行や金融経済の成り立ち、日本の伝統産業、商業の集積の移り変わりなども見えてくる。第1回は「北海道」。北の大地には、北海道銀行と呼ばれる組織が2つあった。