第一生命ホールディングスは7日、ペット保険事業を手がけるアイペットホールディングス(HD)の完全子会社化を目的にTOB(株式公開買い付け)を実施すると発表した。顧客ニーズが多様化する中、伝統的な生命保険を中心とした「保障」領域にとどまらず、非生命保険・QOL(生活の質)領域での商品・サービスの拡大を目指す。買付代金は最大390億1585万円。アイペットHDはTOBに賛同している。
ヒビノは、ライブ配信機器など各種IoT(モノのインターネット)製品開発のCerevo(東京都千代田区。売上高5億円、営業利益900万円、純資産4700万円)の株式80%を取得し子会社化することを決めた。Cerevoが持つ高度な技術力を取り込み、独創的な音響・映像製品の開発や、コンサート・イベントにおけるサービスの高度化につなげる。取得価額は非公表。取得予定日は2022年12月1日。
クオールホールディングスは、関西で調剤薬局8店舗を運営する北摂調剤(兵庫県川西市)の全株式を取得し、7日付で子会社化した。成長戦略の一環。クオールは中期目標として売上高3000億円(2022年3月期実績は1660億円)、営業利益250億円(同98億円)の達成を掲げており、積極的な新規出店、M&Aによる事業拡大を進めている。取得価額は非公表。
米投資ファンドのカーライル・グループは8日、古河電気工業傘下の東京特殊電線の完全子会社化を目的にTOB(株式公開買い付け)を実施すると発表した。買付代金は最大381億6571万円。親会社の古河電工は保有する全株式57%余りについてTOBに応じ、約217億円で売却する。古河電工グループにおける経営資源配分の見直しの一環。東京特殊電線はTOBに賛同している。
アース製薬は、健康領域の事業を手がけるTWO(東京都渋谷区)から薬用中性重炭酸入浴剤を中心とする「BARTH」ブランド製品に関する事業を取得することを決めた。ブランドの発展はもとより、マーケティングに関するノウハウの融合などを通じた無形のシナジー(相乗効果)を期待するとしている。対象事業の直近売上高は18億3000万円。取得価額は非公表。取得予定日は2023年3月1日。
FHTホールディングスは、電力小売りを手がけるライフエナジー(高松市。売上高27万9000円、営業利益△135万円、純資産△185万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。小売電力事業への参入の一環。ライフエナジーは新電力の香川電力(高松市)の全額出資子会社で、小売電力事業者としてすでに登録されている。取得価額は7億7000万円。取得予定日は2022年11月10日。
ライフドリンクカンパニーは、日東紡傘下で清涼飲料水製造のニットービバレッジ(富山県朝日町。売上高35億円、営業利益7400万円、純資産14億5000万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。清涼飲料水事業の拡大の一環で、かねてM&Aを通じた生産能力獲得の機会を模索していた。取得価額は約16億円。取得予定日は2023年1月4日。
穴吹興産は、不動産賃貸・管理の三和住宅(大阪市。売上高2億8700万円、営業利益△609万円、純資産47億8000万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。三和住宅が所有する優良不動産を獲得することで、収益不動産の開発力の強化などにつなげる。三和住宅は1957年に設立し、戸建住宅の開発・請負から賃貸マンション、オフィスビルの賃貸事業まで幅広く展開している。取得価額は50億4800万円。取得予定日は2022年12月1日。
じげんは、運送業界向けに求人メディア「ドラピタ」を運営するオーサムエージェント(名古屋市)の全株式を取得し子会社化することを決めた。これまでカバーしていなかった運送業界で新たな事業展開につなげる狙い。ドラピタは東海・関東を中心に顧客基盤を持ち、得意先数は累計2000社以上という。取得価額は2億4000万円。取得予定日は2022年11月25日。
米投資ファンドのカーライル・グループは9日、経済ニュースメディア「NewsPicks」などを運営するユーザベースの完全子会社化を目的にTOB(株式公開買い付け)を行うと発表した。買付代金は最大614億1120億円。ユーザベースはTOBに賛同している。TOBが成立すれば、東証グロース市場への上場が廃止となる。
大東港運は、持ち分法適用関連会社で運送事業の眞榮ロジ(東京都大田区。売上高3億1500万円、営業利益49万3000円、純資産1億400万円)の株式15%を追加取得し、子会社化することを決めた。現在35%の持ち株比率を50%とする。眞榮ロジは現在、大東港運の輸出入貨物取扱事業において運送業務の一部を担っている。取得価額は1500万円。取得予定日は2022年11月15日。
ササクラは10日、MBO(経営陣による買収)で株式を非公開化すると発表した。笹倉敏彦社長が関与する系列企業で、ササクラ株の59.6%を持つ笹興(大阪市)がTOB(株式公開買い付け)を行い、残る40%余りの株式を取得する。買付代金は最大50億7318万円。コロナ後を見据え、中長期的な視点で事業・組織構造の改革を推し進めるには所有と経営を一体化させることが望ましいと判断し、非公開化に踏み切る。ササクラはTOBに賛同している。
中西製作所は、厨房機器向けに板金製品を製造する三協機設(大阪府東大阪市。売上高1億6700万円、営業利益0百万円、純資産4600万円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。業務用厨房機器事業の基盤強化の一環。三協機設は1987年に設立。取得価額は非公表。取得予定日は2022年12月23日。
ギークスは、IT人材サービス事業を手がけるオーストラリアLaunch Group Holdings Pty Ltd(シドニー。売上高104億円、純資産5億1200万円)の株式70%を取得し子会社化することを決めた。アジア太平洋域内で国境をまたぐ形でのIT人材のマッチングやIT人材育成ビジネスの展開を目指す。取得価額は19億1200万円。取得予定は2023年1月。
ベクトルは、映像サービスを展開するMasterVisions(東京都品川区)を子会社化することを決めた。第三者割当増資を引き受けて株式を追加取得し、現在2.2%の持ち株比率を56.8%に引き上げる。MasterVisionsが強みとする自由視点映像の生成・配信サービスを取り込むことで、ライブコマース(オンライン販売とライブ配信を組みわせた販売形態)などとのサービス連携を見込む。取得価額は非公表。取得予定日は2022年11月18日。
オリックスは11日、化粧品・健康食品大手のディーエイチシー(DHC、東京都港区。売上高905億円、営業利益166億円、純資産1208億円)を子会社化すると発表した。成長分野であるヘルスケア事業の拡大につなげる。同社創業者で大株主の吉田嘉明会長兼社長から発行済み株式の過半を取得する契約を結んだ。株式取得は2023年3月期中を予定している。
セブン&アイ・ホールディングスは11日、傘下の百貨店「そごう・西武」(東京都豊島区。売上高4568億円、営業利益△35億2000万円、純資産641億円)の全株式を、米投資ファンドのフォートレスト・インベストメント・グループに譲渡すると発表した。セブン&アイは2021年7月に策定した中期経営計画で事業構造改革の完遂を掲げ、成長性の乏しい事業は外部への売却も辞さない方針を打ち出した。譲渡金額は2500億円とし、有利子負債などを調整したうえで確定する。譲渡予定日は2023年2月1日。
ハイアス・アンド・カンパニーは、太陽熱を有効活用する住宅設計の会員事業を展開するOMソーラー(浜松市。売上高16億3000万円、営業利益4410万円、純資産45万8000円)が実施する第三者割当増資を引き受けて株式90%を取得し、子会社化することを決めた。ハイアスは全国の工務店・建設会社を中心とする会員企業向けに住宅商材を提供しており、協業による相乗効果が期待できると判断した。取得価額は2億7000万円。取得予定日は2022年11月30日。
福井銀行は、登録金融機関業務にかかる顧客の証券口座に関する事業(権利義務)を、野村ホールディングス傘下の野村証券に譲渡することを決めた。野村証券との包括的業務提携の一環。顧客口座の管理全般や営業に関する後方支援を野村証券が担当し、福井銀行は勧誘・販売・アフターフォローなどを行う。役割分担を明確化し、業務運営コストの削減などにつなげる。当該事業の直近売上高は5億8000万円。対価の交付は発生しない。譲渡予定日は2023年11月13日。
住友商事は11日、住友精密工業の完全子会社化を目的にTOB(株式公開買い付け)を行うと発表した。住友商事は住友精密の株式27.64%を保有する筆頭株主で、同社を持ち分法適用関連会社としている。買付代金は最大139億7400万円。株式の非公開化により、両社の機動的な意思疎通の機会を確保し、一体的運営による成長戦略を推し進める。住友精密はTOBに賛同意見を表明した。TOBが成立すれば、東証スタンダード市場への上場が廃止となる。
ふくおかフィナンシャルグループ(FG)と福岡中央銀行は11日、2023年10月に経営統合することで基本合意したと発表した。ふくおかFGを完全親会社、福岡中央銀行を完全子会社とする株式交換を行う。低金利の常態化や異業種参入による競争激化、金融業務のDX(デジタルトランスフォーメーション)化など厳しい環境が続く中で経営基盤を強化する。ふくおかFGは傘下に福岡銀行(福岡市)、熊本銀行(熊本市)、十八親和銀行(長崎市)を持つが、福岡中央銀が4行目となる。