日本ペイントホールディングスは英国子会社を通じて、密封剤・接着剤メーカーのイタリアN.P.T. s.r.l.(NPT。売上高72億4000万円)の株式51%を取得し、子会社化することを決めた。塗料・コーティング分野にとどまらず、その周辺分野への展開戦略の一環。NPTはイタリア国内のほか、60カ国以上に製品を輸出している。取得価額は非公表。取得予定は2023年上期中。
岩崎電気は6日、MBO(経営陣による買収)で株式を非公開化すると発表した。米投資ファンドのカーライル・グループと組んで、TOB(株式公開買い付け)を行い、全株式の取得を目指す。買付代金は最大327億8720万円。主力とする国内LED(発光ダイオード)照明市場が2019年を境に縮小に転じる中、短期的な業績変動にとらわれず、新規事業の創出や海外展開の拡充、企業体質の変革などの経営課題に取り組むためには非公開化が必要と判断した。岩崎電気はTOBに賛同している。
ヤマハは米国子会社を通じて、ギターメーカーの現地Cordoba Music Group, LLC (カリフォルニア州)の持ち分を取得し、7日付で子会社化した。高い成長が見込まれるギターを将来の楽器事業の柱に育成する方針を打ち出しており、その一環。取得価額は約51億円。
オージックグループは、農業機械・航空機部品の切削加工を手がけるオイダ製作所(岐阜県大垣市。売上高25億2000万円、営業利益1億5900万円、純資産7億7000万円)の全株式を取得し、7日付で子会社化した。グループにおける金属部品加工事業の業容拡大の一環。オイダ製作所は1953年に設立。取得価額は非公表。
三井化学と旭化成は8日、不織布事業の一部を統合すると発表した。共同出資による新会社を10月2日に設立し、両社が国内とタイで手がける事業を移管する。アジアでの競合メーカーの設備増強や、ASEAN(東南アジア諸国連合)10カ国と日中韓など15カ国が参加するRCEP(地域的な包括的経済連携)協定の発効(2022年1月)に伴う関税撤廃などを受け、不織布市場を巡る競争激化が予想される中、両社の技術・ノウハウを融合し、持続的な成長を目指す。統合新会社の出資比率は三井化学60.62%、旭化成39.38%で、三井化学が主導権を握る。
産業用配管継手の最大手、イハラサイエンスは8日、MBO(経営陣による買収)で株式を非公開化すると発表した。中野琢雄会長と同氏の資産管理会社が設立したエン・アイ・ム(東京都品川区)がTOB(株式公開買い付け)を行い、全株式取得を目指す。買付代金は最大約323億円。「世界一の配管メーカー」としての地位確立に挑戦するためには、短期的な業績変動にとらわれない経営体制として非公開化が必要と判断した。イハラサイエンスはTOBに賛同している。
アスクルは、歯科業界向け通販サービスのフィード(横浜市)や関連会社を傘下に持つAP67(東京都港区。売上高125億円、営業利益1億400万円、純資産21億3000万円)の株式85%を取得し、子会社化することを決めた。主力のオフィス通販にとどまらず、「医療・介護」「製造業」を新たな戦略分野として位置付け、EC(電子商取引)による消耗品購買の普及に力を入れており、その一環。取得価額は非公表。取得予定日は2023年2月28日。
エンビブロ・ホールディングスは10日、工業用ゴム製品メーカーの日東化工に対して完全子会社化を目的にTOB(株式公開買い付け)を実施すると発表した。ゴム製品に関する生産技術・ノウハウを取り込むことで、廃ゴムのリサイクル事業の高度化などに向けて補完性が高いと判断した。日東化工の筆頭株主である大阪ソーダは保有する全株式31.27%をTOBに応募する。買付代金は最大約18億8000万円。日東化工はTOBに賛同している。
ウイルプラスホールディングスは傘下企業を通じて、輸入車販売のフィールドモーター(福岡県久留米市)からドイツ自動車ブランド「MINI」のディーラー事業を取得することを決めた。これにより、福岡県内ですべてのMINI正規ディーラーを請け負うことになり、業容拡大と収益基盤の強化を見込む。取得対象事業の直近売上高は9億7400万円。取得価額は非公表。取得予定日は2023年4月1日。
ケイアイスター不動産は、京都府と滋賀県を中心に戸建住宅の分譲事業を手がけるエルハウジング(京都市。売上高132億円、営業利益12億1000万円、純資産59億3000万円)の株式の過半を取得し、子会社化することを決めた。ケイアイスターは2021年5月に兵庫県、2022年3月に大阪府に出店するなど、近畿エリアで分譲戸建て事業の拡大を推し進めており、その一環。エルハウジングは1989年設立。取得割合、取得価額は未確定。取得予定は2023年4月。
BRUNOは、バッグの企画・製造を手がける子会社のシカタ(京都市。売上高49億7000万円、営業利益1億300万円、純資産22億7000万円)の全株式を、シカタの自社株取得に応じる形で譲渡することを決めた。経営資源の選択と集中の一環。BRUNOは2018年にシカタを傘下に収め、自社の旅行グッズブランド「ミレスト」との連携を進めてきたが、コロナ禍による旅行グッズの売り上げ減少、ここへきての原材料高、輸入コスト増などで相乗効果が低減しつつあった。譲渡価額は18億円。譲渡予定日は2023年3月22日。
セルシスは、国内子会社のカンデラジャパン(東京都新宿区)とオーストリア子会社のCandera GmbHが手がけるUI(ユーザーインターフェース)/UX(ユーザーエクスペリエンス)事業を、加賀電子傘下で電子デバイス設計・開発の加賀FEI(横浜市)に譲渡することを決めた。事業の選択と集中の一環。主要顧客である自動車関連では新車開発の遅れによるモデルチェンジサイクルの長期化や、半導体不足による生産台数の減少などで厳しい事業環境が続いており、グループにおけるUI/UX事業の役割や位置付けを抜本的に見直した結果という。譲渡価額、譲渡予定日は非公表。
森永乳業は米国現地法人を通じて、植物由来食品(PBF)メーカーの米Turtle Island Foods, SPC(オレゴン州)を傘下に持つTurtle Island Foods Holdings, Inc.(ワシントン州。売上高55億3000万円、営業利益△5億5200万円、純資産3億2100万円)の全株式を取得し、10日付(米国時間)で子会社化した。森永は1978年から米国に豆腐を輸出・販売し、1985年に現地製造に乗り出した。豆腐を含め、肉代替製品として需要増が期待されるPBF事業の拡大につなげる。取得価額は約16億2700万円。
西華産業は子会社の東西実業(東京都千代田区)で手がける保険代理店事業を、エムエスティ保険サービス(東京都新宿区)に譲渡することを決めた。収益構造改善に向けた経営資源の選択と集中の一環。譲渡価額は非公表。譲渡予定日は2023年4月1日。
森永乳業は、育児用ミルクを輸入・販売するベトナムMorinaga Le May Vietnam Joint Stock Company(ホーチミン)の株式51%を取得し、子会社化することを決めた。安定的な拡大が見込まれるベトナムの育児用ミルク市場で森永乳業ブランドの展開を加速する。Morinaga Le Mayの既存株主から20%の株式を取得したうえで、同社が行う第三者割当増資を引き受けて、持ち株比率を過半とする。取得価額は合計で約5億6170万円。取得予定日は2023年5月31日。