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富士通ゼネラル<6755>、パロマ持ち株会社による買収を受け入れ

2025-01-06

富士通ゼネラルは6日、ガス機器大手のパロマ(名古屋市)を傘下に置くパロマ・リームホールディングス(東京都千代田区)による買収を受け入れると発表した。パロマ・リームがTOB(株式公開買い付け)を通じて富士通ゼネラル株の約56%を取得したうえで、筆頭株主の富士通が所有する残る約44%の株式については富士通ゼネラルが自己株取得を行う。TOBは2025年7月上旬にも始まる見通し。買収総額は2566億円(うちTOB分は1646億円)。両社は2016年から北米市場での空調製品の相互供給や全館空調方式エアコンの共同開発を進めるなど協業関係にあった。

パロマ・リームによる富士通ゼネラル株の買付価格は1株につき2808円で、TOB公表前営業日の終値2327円に20.67%のプレミアムを加えた。買付予定数は5864万4761株。下限は所有割合22.64%にあたる2372万2800株に設定した。44.02%の株式を所有する富士通はTOBに応募せず、TOB成立後、富士通ゼネラルが約920億円(1株1995円)で自己株取得を行う。

パロマは1988年に米国の給湯器・空調機メーカー大手のリームを買収し、同社をテコとして北米を中心に海外事業を強化してきた。2023年10月、持ち株会社「パロマ・リームホールディングス」を発足させた。

パロマ・リームの空調機事業は北米に集中するが、北米以外にもアジア、欧州に事業を展開する富士通ゼネラルとは地域的な補完関係が見込めると判断した。

富士通ゼネラルは1936年に蓄音機や電気製品の仕入れ・販売を行う八欧商店として設立。ラジオ、無線機などの製造に乗り出し、戦後はテレビや家電に進出。ゼネラルへの社名変更を経て、富士通との資本提携に伴い1985年に現社名に改めた。2024年3月期売上高は3164億円で、空調機事業が9割近くを占める。

富士通ゼネラルはTOBに賛同し、株主に応募を推奨することを決めた。TOBが成立すれば、同社の東証プライム市場への上場は廃止される。

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