米投資ファンドのKKR(コールバーグ・クラビス・ロバーツ)は22日、システム開発大手の富士ソフトに対して株式の非公開化を目的に実施しているTOB(株式公開買い付け)について、10月21日としていた買付期間を11月5日まで延長したと発表した。富士ソフトをめぐっては米投資ファンドのベインキャピタルがKKRを上回る価格での買収を提案しているが、富士ソフト側が18日、KKRによるTOBへの賛同と応募推奨を維持することを改めて表明していた。
KKRは1株8800円を買付価格とするTOBを2段階に分けて行うことにしている。9月5日に始まった第1回分は10月21日までの30営業日を買付期間としていたが、今回、10営業日延長されることになった。
KKRはTOB開始後の9月中旬、TOBを2段階方式に変更した経緯がある。この変更で所有割合53.22%としていた買付予定数の下限を撤廃し、数にかかわらず、応募株式のすべてを取得したうえで、第2回を実施することにした。ただし、第1回で53.22%を取得した場合、第2回を行わない。
一方、ベインキャピタルは10月11日、KKRを上回る1株9450円とする買収を正式に提案。ベインは富士ソフトの賛同を前提に10月中にもTOBを開始する予定としている。富士ソフトの創業者はベインの買収提案を支持し、会社側にKKRへの賛同と応募推奨を取り下げるよう求めており、創業者と会社側の意見対立が表面化している。