チヨダウーテは25日、同社に対してドイツ建材メーカーの大手、クナウフ・グループがTOB(株式公開買い付け)を実施すると発表した。クナウフはチヨダ株の45.28%を持つ筆頭株主。TOBを通じて全株取得を目指す。買付代金は最大約77億2000万円。完全子会社化後のチヨダには同社創業家の資産管理会社である平田興産(三重県川越町)が25%を出資することで合意している。TOBが成立すれば、チヨダの東証スタンダード市場への上場は廃止となる。
クナウフによるチヨダ株の買付価格は1株605円。TOB公表前営業日の終値519円に16.57%のプレミアムを加えた。買付予定数は1275万9798株。買付予定数の下限は所有割合21%余りにあたる498万7001株。買付期間は4月26日~6月10日。決済の開始日は6月17日。公開買付代理人は三田証券(復代理人はマネックス証券)。
チヨダは1948年に三重県四日市市で千代田建材として発足し、石膏ボードの生産に乗り出した。クナウフとは2006年に資本・業務提携。2020年1月に関係強化のため、クナウフの出資比率をそれまでの約29%から約45%に高めた。クナウフはチヨダを非公開化して完全に傘下に収め、両社の石膏ボード事業を一体運営できる体制とする。