ANAホールディングスは7日、日本郵船傘下で国際航空貨物事業を手がける日本貨物航空(NCA、東京都港区。売上高1890億円、営業利益744億円、純資産△587億円)の全株式を取得し、子会社化することで基本合意したと発表した。将来的にANAグループの貨物事業会社であるANA Cargo(東京都港区)と統合・再編することで、サプライチェーン(供給網)の高度化に対応した高品質・競争力のある航空貨物輸送サービスの提供を目指す。取得価額は未確定。取得予定日は2023年10月1日または両社が別途合意した日。
バルテスは傘下企業を通じて、デリバリー・人事関連のWebサービスを提供するbeepnow systems(東京都港区)から受託開発事業を7日付で取得した。グループにおけるWeb・モバイルアプリ開発サービス事業の収益性向上や競争力強化を見込む。取得価額は非公表。
TISは、税理士事務所向け会計・財務システムを提供する日本ICS(大阪市。売上高69億2000万円、営業利益19億6000万円、純資産97億円)の全株式を取得し子会社化することを決めた。自社の金融機関向けビジネスと日本ICSの税理士など士業向けビジネスを組み合わせ、顧客基盤の拡大や新たな事業スキームの実現を目指す。日本ICSは1969年に設立。取得価額は非公表。取得予定日は2023年4月6日。
電通グループは、デジタルクリエイティブコンテンツ制作などを手がける英国Tag Worldwide Holdings Ltd(ロンドン)の全株式を取得し、子会社化することを決めた。顧客体験マネジメント事業の強化が狙い。Tagは1972年設立で、世界29カ国に約2800人の従業員を抱える。Tagは2017年に米国投資ファンドのアドベント・インターナショナルの傘下に入った。取得価額は非公表。取得完了は2023年度下期を予定。
電通グループは米国の傘下企業を通じて、BtoB(事業者間取引)マーケティング支援の米国Shift7 Digital,LLC.の全株式を取得し、子会社化した。BtoB企業の顧客体験マネジメント領域のサービス強化が目的。取得金額、取得日は非公表。
日本ライフラインは医療機器を製造・販売する中国子会社の心宜医疗器械(深圳)有限公司(売上高4億9500万円、営業利益4700万円、純資産6億600万円)の全株式を、同業の香港Enlight Medical Limitedに譲渡することを決めた。PI(インターベンション)事業の縮小に伴い、その製造拠点を手放す。PI事業は心筋梗塞などの虚血性心疾患の治療に用いるバルーンカテーテル、消化器疾患の治療に使う大腸ステントなどの処置具を主力としているが、近年、競争環境の激化、保険償還価格の下落などから収益性の低下が続き、多くの製品の販売を終了していた。譲渡価額は非公表。譲渡予定は2023年3月下旬。
テクノホライゾンは、幼児向けICT(情報通信技術)英語教材を開発・販売するCYBER DREAM(仙台市)の全株式を取得し、10日付で子会社化した。幼児向けコンテンツの作製ノウハウの獲得や、これまで手つかずの幼稚園・保育園市場への参入につなげる。テクノホライゾンは「ELMO」ブランドで教育現場を中心に書画カメラ、電子黒板などのICT機器を展開している。取得価額は非公表。
プロネクサスは、映像サービスのシネ・ホールディングス(東京都千代田区。売上高23億5000万円、経常利益2億円、純資産15億5000万円)の全株式を取得し、子会社化することを決めた。主力事業である「株主総会運営支援サービス」の体制強化につなげる。シネ・ホールディングスは株主総会、企業催事、学術総会など年間4000件以上のイベントに携わり、プロネクサスとは株主総会における映像機器の設営・運営などでかねて取引関係にある。取得価額は52億1400万円。取得予定日は2023年3月31日。
ラクスルは、個人向け印刷通販事業のネットスクウェア(東京都江東区)からオンデマンド印刷事業を取得することを決めた。デジタル印刷領域の事業強化が狙い。ネットスクウェアが当該事業を会社分割して6月に設立する新会社「ラクスルファクトリー」(予定)の全株式を取得して子会社化する形。取得金額は未確定。取得予定日は2023年8月1日。