トライト＜9164＞、米カーライルによるTOBで株式を非公開化

トライトは医療・福祉分野の人材紹介・人材派遣サービスを手がけている。米投資ファンドのカーライル・グループは、少子高齢化による医療福祉業界の人手不足が続く中、人材紹介・人材派遣市場は今後も拡大が見込まれると判断。トライトを投資対象として子会社化し、カーライルの経営資源や人材ネットワークを投入することで中長期的な成長を支援する。

一方、トライトはカーライルの提示する企業価値向上策が、これまで自社で検討・実施してきた取り組みとも方向性が同じでカーライルの知見やネットワークなどを活用できることや、積極的なDX（デジタルトランスフォーメーション）・IT投資の支援を得られることからTOB（株式公開買い付け）を受け入れることにした。

トライト株60％を保有する筆頭株主のアイルランドLIFE SCIENCE & DIGITAL HEALTH CO. LIMITED（LSDH）はTOBに応募せず、TOB終了後の相対取引でカーライル・グループに株式を譲渡する。

TOB主体はカーライルが設立した買収目的会社のTCG2505（東京都千代田区）。TOBによる買付代金は352億円。買付価格は1株につき880円で、公表前営業日の終値568円に対して54.93％のプレミアムを加えた。買付予定数は4000万株で、下限は所有割合6.67％にあたる666万6700株。

買付期間2025年6月11日から7月23日までの30営業日。決済の開始日は7月30日。公開買付代理人は野村証券。トライトはTOBに賛同し、株主に応募を推奨している。TOBが成立すれば、東証グロース市場への上場は廃止となる。

TOB終了後の10月に、LSDHの所有株式を1株につき870円で買い付ける。相対取引による買付代金は522億円。TOBと相対取引を合わせた買収総額は874億円となる。