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信越化学工業<4063>、シリコンウエハー研磨加工の三益半導体工業<8155>をTOBで子会社化

2024-04-25

信越化学工業は25日、持ち分法適用関連会社の三益半導体工業にTOB(株式公開買い付け)を行い、完全子会社化すると発表した。信越化学は現在43.87%(間接所有を含む)の株式を所有する。TOBは7月下旬をめどに開始し、買付代金は最大680億4300万円。信越化学は半導体シリコンウエハーの生産で世界トップで、その鏡面研磨加工を三益半導体に委託している。両社の経営を一体化することで、需給や市況の変化が激しい半導体業界での競争優位性を維持し、安定供給の実現につなげる。

三益半導体株の買付価格は1株につき3700円。TOB公表前日の終値2777円に33.24%のプレミアムを加えた。買付予定数は1839万57株。下限は所有割合23.91%にあたる768万2076株。三益半導体はTOBに賛同し、株主に応募を推奨することを決めた。TOBが成立すれば、三益半導体の東証プライム市場への上場は廃止となる。

三益半導体は1969年、計測器・試験機を販売する三益産商の研磨部から分離独立し、半導体シリコンウエハーの鏡面研磨加工に乗り出した。1983年に母体企業の三益産商などを吸収合併した。1986年に株式を店頭登録し、1997年に東証2部に上場。1998年に東証1部に昇格(2022年4月に東証プライム市場に移行)した。

信越化学は2005年、シリコンウエハー研磨加工の委託先である三益半導体が実施した第三者割当増資を引き受けて27%あまりの株式を取得し、持ち分法適用関連会社化した。この翌年に所有割合を40%超に引き上げ、今日に至る。

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