ペイロールは24日、MBO(経営陣による買収)で株式を非公開化すると発表した。米投資ファンドのTAアソシエイツが同社の湯浅哲哉社長と連携し、TOB(株式公開買い付け)を行う。買付代金は最大約240億円。ペイロールは給与計算や年末調整などの事務代行サービスを主力とするが、クラウドシフトへの対応などで競争環境が厳しさを増す中、中長期的な視点で事業改革に取り組むのが狙い。
買付主体はTAアソシエイツ傘下のTAアソシエイツジャパン1号(東京都港区)。ペイロール株の買付価格は1株1380円で、TOB公表前日の終値969円に42.41%のプレミアムを加えた。買付予定数は1740万9601株で、湯浅氏の保有分(約5.4%)を除く全株式の取得を目指す。下限は所有割合61.28%にあたる1127万5800株。
筆頭株主で投資会社のクレアシオン・キャピタル(東京都港区)は、Pacific戦略投資1号投資事業有限責任組合など複数の傘下ファンドが保有する合計46.65%の株式についてTOBに応募する予定。ペイロールはTOBに賛同し、株主に応募を推奨することを決めた。
買付期間は1月25日~3月11日の31営業日。決済の開始日は3月18日。公開買付代理人は野村証券。
ペイロールの前身は1989年に設立し、給与計算業務の受託サービスを始めた。2016年1月にスタートしたマイナンバー制度の関連サービスも手がけるなど、サービス範囲を給与計算業務の周辺に広げてきた。2021年に東証マザーズ市場に上場した(2022年4月に東証グロース市場に移行)。
2024/02/22
TOB成立の可能性を高める目的で、第6位株主のアイネットは所有する5.43%のうち3.92%はTOBに応募しないと発表。これに伴い、買付予定数を1668万8701株に、下限を所有割合57.36%にあたる1055万4900株に、それぞれ引き下げた。買付代金は最大約230億円となる見込み。TOB成立後にアイネットはスクイーズアウトに応じる。
No. | 開示日 | 買い手 | 対象企業・事業 | 売り手 | 業種 ▽ | スキーム ▽ | 取引総額(百万円) ▽ | タイトル |
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1 |
2024年1月24日 |
(株)TAアソシエイツジャパン1号=米TAアソシエイツ
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クレアシオン・キャピタル(株)ほか
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23,030
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