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富士ソフトTOB、米KKRが買付予定数の下限を撤廃

2024/09/20
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富士ソフトの本社(横浜市)

米投資ファンドのKKR(コールバーグ・クラビス・ロバーツ)は19日、独立系システム開発大手の富士ソフトに実施中のTOB(株式公開買い付け)を2段階方式に変更すると発表した。第1回TOBでは所有割合53.22%としていた買付予定数の下限を撤廃し、数にかかわらず、応募株式のすべてを取得する。そのうえで第2回を実施する。

同日、関東財務局に変更を届け出た。買付価格は第1回、第2回とも当初の1株8800円を据え置く。富士ソフトをめぐっては別の米投資ファンドのベインキャピタルがKKRを上回る買付価格での買収を提案する意向を表明している。

KKRは富士ソフトの賛同を得て、9月5日から同社へのTOBを1株8800円で始めた。買付期間は10月21日まで。買収総額は約5580億円と今年のTOBとして最大級。

KKRは、富士ソフトの筆頭株主で約23%を所有するシンガポール投資ファンドの3Dインベストメント・パートナーズと、約9.2%を所有する米投資ファンドのファラロン・キャピタル・マネジメントとTOBへの応募で合意し、合計で32%余りの株式を取得できる見通し。

ただ、ベインキャピタルが対抗TOBに乗り出す構えを見せ、富士ソフト株価は買付価格を上回る高値圏で推移し、一般株主の応募が見込みにくいことから、KKRによるTOBの成立は困難視される状況にある。19日の富士ソフト株の終値は9350円。

このため、TOB成立の条件とする買付予定数の下限を撤廃し、すでに応募で合意した大株主のほかに、売却を希望する他の株主の売却機会を確保する。

また、ベインキャピタルの提案内容を見極めたい株主に対し、ベインがTOBの予定公表を行わなかった場合にも確実の売却の機会を担保するため、第1回のTOB終了後、速やかに第2回を開始するとしている。

ベインキャピタルは富士ソフトに対し、法的拘束力のある買収提案を10月に提出する予定。これが富士ソフトに受け入れられれば、11月以降、TOBを開始する方向となっている。

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