一六堂は5日、MBO(経営陣による買収)で株式を非公開化すると発表した。同社社長で筆頭株主の柚原洋一氏が代表を務める資産管理会社の八越(東京都中央区)がTOBを行い、柚原氏所有の非応募株式(所有割合34.18%)を除く全株式の取得を目指す。買付代金は約34億9000万円。主力の居酒屋など飲食店の事業環境が変化する中で、不採算店舗の撤退や新業態への取り組みなど中長期的な成長に向けた改革を実行するのが狙い。TOBが成立すれば、東証1部への上場が廃止となる。
買付価格は1株につき515円で、TOB公表前営業日の終値369円に対して39.57%のプレミアムを加えた。買付予定数は677万5800株。下限は所有割合36.23%にあたる372万9301株に設定した。買付期間は2018年11月6日~12月18日。決済の開始日は12月26日。公開買付代理人はSBI証券。
一六堂は1995年設立。当初は時計販売を手がけていたが、1996年から「五大陸」ブランドで飲食店事業を開始した。現在は和食居酒屋「天地旬鮮八吉」や「のど黒屋」などを、関東中心に展開している。2005年に名証セントレックスに上場、東証2部を経て2012年から東証1部に上場。