資本金を変えないで1株をいくつかの株式に分割し、発行済株式数を増やすこと。原則として、その会社の取締役会の決議で行うことができる。
従来の株数を1とした比率で表され、仮に「1:2」の場合、1株に対して1株が無償で、基準日(会社法第183条第2項第1号)に株主名簿に記載された株主に配られることになる。
持株数は2倍になるが、理論上1株あたりの価値は半分になるため、資産価値は変わらず、またすべての株主の持ち株数が均等に増加するために持分比率の変動はない。
なお、分割により発生した単元未満株式に関しては、会社へ買取を請求できる(=「株式買取請求権」(会社法第192条第1項))。
企業にとっては新たな資金調達なしに新株を発行でき、また市場流動性の低下等に対し、取得単価の縮小と全体株数の増加によって、市場流動性を向上させる等のメリットがある。
類似の制度として株式無償割当があるが、無償割当の場合は自己株式には割り当てができない(株式分割の場合は自己株への割り当ても行われる)、同一種類でない株式の割り当ても可能(株式分割の場合は同一種類の株式でなければならない)、などの点が株式分割と異なる。
日本技術開発に対する夢真(現夢真ホールディングス)の敵対的TOBの際には、敵対的買収防衛策としても活用された。