事業運営に活用している資産・負債でありながらも、貸借対照表(バランスシート)に計上されないことを意味する。会計上のリスクが存在する取引を貸借対照表(バランスシート)の外に出すことで、企業価値を高めることができる。貸借対照表(バランスシート)から資産・負債を消す(オフにする)ことで、外部からの評価(格付け)を高め、借入・金利負担を軽減し、資産利益率(ROA)を向上させる効果がある。
オフバランス取引の典型例はリース取引があるが、会計基準の国際化の流れにあわせてリース資産も資産計上されることとなっている。このほか、SPCを悪用した連結外しなども表面化したことから、会計基準が厳格化されオフバランス取引は縮小されていく傾向にある。
非上場会社にあっては、法人税法に準拠した会計処理が蔓延しているため、ほとんどの企業で退職給付債務や未払賞与などが貸借対照表に計上されていない(オフバランス)。これらは簿外債務となっているため、非上場会社を買収する際には注意が必要である。
簡便的な基準によって貸借対照表の補正を行うには、日本公認会計士協会と日本税理士会連合会などが共同して公表した「中小企業向けの会計基準」が参考になる。