【中小企業のM&A】ノンネームシート(一次情報)の開示

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ノンネームシート一次情報)で買い手候補の関心度を探る

まだ買収することが決まっていない、興味を示すかどうかわからない相手先に企業名や財務内容を開示することは好ましくありません。交渉の初期段階では、情報漏えいには細心の注意を払い、企業名が特定されないようにして買い手候補先に情報を流す必要があります。

そこで、M&A仲介機関では匿名での「ノンネームシート」を作成します。「一次情報」と呼んだり、「1枚もの」と呼んだりすることもあります。

今はウェブサイトで検索して何でも情報が手軽に入手できる時代です。「どのレベルまで開示しても企業名が特定されないか」、が仲介機関のノウハウといってもよいでしょう。

ノンネームシートに記載される主な内容
・業種
・業務内容
・財務内容(売上高、営業利益など数字を丸めたもの)
・所在地
・社員数
・譲渡理由 など

ノンネームシートで買い手候補先が興味を持ったら、秘密保持契約(NDA;Non-Disclosure Agreement)を締結し、次の交渉過程に進みます。

情報漏えいを防ぐために結ぶ「秘密保持契約」

秘密保持契約とは、売り手と買い手の双方が、交渉前に情報開示を前提として最初に締結する契約になります。「NDA」の他にも「守秘義務契約」とか「機密保持契約」と呼ぶ人もいます。

M&Aで会社を譲渡する場合、情報漏えいは会社の存続に関わるといっても過言ではありません。買い手候補のなかには、本当に会社を買収する気がないにも関わらず、ライバル企業などの情報を得る目的で開示を求めることもあります。

秘密保持契約を締結したから大丈夫、と思わずに、よく相手を見極めながら情報開示をしましょう。

秘密保持契約に盛り込む主な内容
・第三者に取得した情報を開示しないこと
・開示された情報を買収目的以外に使用しないこと
・秘密保持契約の有効期間 など

文:M&A Online編集部

M&Aの流れ 記事リンク(URL)
1.どうすれば売れる会社になれるのか https://maonline.jp/articles/sell_how
2.仲介機関との契約 https://maonline.jp/articles/buyout_broker
3.企業評価の算定 https://maonline.jp/articles/value1006
4.ノンネームシート一次情報)の開示
5.トップ面談 https://maonline.jp/articles/top-mendan
6.基本合意の締結 https://maonline.jp/articles/loi
7.買収監査デューデリジェンス)の実施 https://maonline.jp/admin/articles/buyout_dd
8.最終契約の締結 https://maonline.jp/articles/pa
9.代金決済 https://maonline.jp/articles/daikin-kessai
10.従業員や取引先への公表 https://maonline.jp/articles/setsumei
11.引継ぎ開始 https://maonline.jp/articles/hikitsugi

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