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台風13号の関東・東海直撃でも「計画運休」がなかった理由

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台風襲来で「計画運休」が発動される基準は?(写真はイメージ)

強風は「一律運休」、大雨では「路線ごとの判断」

台風7号の場合は計画運休前日に最大風速が35m、最大瞬間風速は50mを記録し、中心から半径130キロ以内では風速25m以上の暴風が吹いていた。だから風を基準に東海道新幹線の計画運休が決まったのである。一方、台風13号は「雨台風」で、前日の風は最大風速18m、最大瞬間風速25mと、運転中止基準を下回っていた。

もちろん雨も計画運休の判断材料になるが、風と違い路線によって事情が異なる。一般に1時間あたり40mm以上、継続300mm以上の大雨で運転中止となる。しかし、崖(がけ)崩れや河川の増水などが懸念される路線では、もっと少ない雨量で運転が中止される。台風13号で計画運休が実施されたのは、いずれも崖崩れが懸念される山間区間だ。

一方、東海道新幹線は、ほとんどが平野ルートを通過しているため崖崩れのリスクは少なく、高架で在来線よりも高い位置にあるため河川増水の影響も受けにくい。つまり「雨台風」には強い路線なのだ。山手線や京浜東北線をはじめとする都心の高規格在来線も、同様の理由で大雨の影響は受けにくい。「風台風」なのか「雨台風」なのかで、計画運休は予見できる。

ただ、相当な豪雨が予想される場合は、「雨台風」でも新幹線の計画運休が発動される可能性は高い。計画運休を免(まぬが)れ、新幹線で目的地に到着できても、在来線やバスが運休になっていたりタクシーがつかまらなかったりして移動に困るケースもある。台風接近時は計画運休の有無にかかわらず、予定を変更できる余裕を持っておく方がよいだろう。

文:M&A Online

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