トヨタの豊田章男社長、次期経団連会長に向けて「本格始動」へ

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「豊田章男経団連会長」の実現に向けた動きが本格化し始めた。トヨタ自動車<7203>の豊田社長が、1月26日に4月1日付で社長を退任して会長に就任すると発表。これを受けて同31日には日本自動車工業会会長を辞任することが明らかになった。

「産業界全体」を新たな舞台に

日本経済団体連合会(経団連)会長就任のネックと見られていたトヨタ社長職と自工会会長職から離れることで、豊田社長がこれまで距離を置いてきた経団連に活動の軸足を移すのは確実とみられる。

自工会会長職は2000年以降、トヨタ、ホンダ<7267>、日産自動車<7201>の国産車大手3社の経営トップが1期2年の輪番制で会長職に就いていた。しかし、豊田社長が2018年に2度目となる自工会会長に就任すると、3期連続で会長職に留まっている。2024年まで1年以上の任期を残しての退任となる見通し。

社長交代を伝えるオウンドメディア「トヨタイムズ」で、内山田竹志トヨタ会長が「(豊田社長には)日本の産業界全体という(ステージで)大きく羽ばたいていただかなくてはいけない」と明言しており、これが豊田社長の経団連会長就任を示唆していることは間違いないだろう。

財界が待ち望む「豊田経団連会長」

豊田社長に「日本の産業界全体という大きく羽ばたいていただかなくてはいけない」と語りかけた内山田会長=右(トヨタイムズより)
豊田社長に「大きく羽ばたいていただかなくてはいけない」と語りかけた内山田会長=右(トヨタイムズより)

2月6日に経団連の副会長人事が発表される予定だが、豊田社長の就任が決まれば、2025年には戸倉雅和会長(住友化学会長)に代わって経団連会長へ昇格するのは確実だ。極めて異例ではあるが、早川茂トヨタ副会長が経団連審議員会副議長を退任。代わりに豊田社長が副議長に就任して、会長就任をうかがうという方法もありうる。

経団連は日本を代表する企業を率いる創業家出身の豊田社長を経団連会長に迎え入れるべく、粘り強く働きかけてきた。母体企業の豊富な資金力に加えて国民的な知名度がある豊田社長だけに、経団連の存在感を高めるためには必須の人材だからだ。

豊田社長が経団連会長に就任すれば、トヨタ出身者としては旧経団連の第8代会長だったトヨタ社長の実父でもある豊田章一郎氏(1994〜1998年)、現経団連の初代会長だった奥田碩氏(2002〜2006年)に続く3人目となる。

文:M&A Online編集部

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