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ロシアが発行人の入国を禁止した「選択」って、どんなメディア?

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ロシアはなぜ発行部数6万部の月刊誌の発行人を入国禁止にしたのか?(Photo By Reuters)

岸田文雄首相、高市早苗自民党政調会長、渡辺恒雄読売新聞グループ本社主筆、加藤晃彦週刊文春編集長…ロシアが入国禁止を発表した日本人63人の中に見慣れない人物がいた。「選択」編集人兼発行人の湯浅次郎氏だ。そもそも「選択」とは、どんなメディアなのか?

厳しいロシア批判の記事に反応か

「選択」は1975年に創刊された総合雑誌。当時、3万人いると言われた日本の各界リーダー向けの情報誌として創刊した。発行元は選択出版(東京・西新橋)。年間契約でしか購読できず、書店で販売していないため「知る人ぞ知る」雑誌となっている。同誌によると、発行部数は6万部。

同誌が取り扱うテーマは「国際問題」「国内政治」「国内経済」「社会・文化」で、400人を超えるジャーナリストや学識経験者、作家、政財官関係者が記事執筆に当たっているそうだ。マスメディアの報道の「裏側」を掘り下げたニュースが中心で、ジャーナリストの池上彰氏や立花隆氏らが購読していたという。

政府与党や行政、大企業、米国や中国などへの批判記事が多い。ロシアについても厳しい記事が多く、最新号では「プーチンの寝首を掻くのは誰か」を掲載。ロシア中央銀行のエリビラ・ナビウリナ総裁のほか、ナルイシキン対外情報庁(SVR)長官、ショイグ国防相、パトルシェフ安全保障会議書記、ボルトニコフ連邦保安庁(FSB)長官の側近4人らによる「ポスト・プーチン」の動きについての記事だ。

このほかにも「日露不測の事態の高まる危機」「自由貿易体制にロシアは『不要』」といった記事が掲載されている。

こうしたロシアに対する厳しい批判記事や国内政財官上層部への影響力の強さから、同誌の編集人兼発行人を入国禁止にした可能性が高い。国内では広く知られていない雑誌だけに、ロシアの入国禁止で同誌の存在感をかえってアピールすることになりそうだ。

文:M&A Online編集部

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