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新型コロナ不況が生み出した「K字型」の景気回復ってなんだ?

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コロナ禍がもたらした「K字型」景気回復が業界の明暗を分けた

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の第4波襲来が確実な情勢になったが、長期化するコロナ禍に伴い国内景気はかつてない動きを見せている。それが「K字型」の景気回復だ。よく聞く「V字回復」や「L字回復」ではない「K字型」とは何か?

「V字」と「L字」が混在する「K字」

日本銀行が2021年4月1日に発表した同3月の全国企業短期経済観測調査(日銀短観)によると、景況感が「良い」と答えた企業の割合から「悪い」の割合を引いた業況判断指数(DI)は大企業製造業が前回(2020年12月)調査から15ポイント改善し、+5に上昇した。コロナ禍前の2019年9月の水準にまで回復したことになる。

一方、大企業非製造業の業況判断DIは、-1と低迷が続く。政府による第2次緊急事態宣言やコロナ自粛の影響で、飲食業や観光業などの経営不振が響いた。前回調査からは4ポイント改善したものの、コロナ禍前(2019年9月)の+20と比較すると当時の水準への回復は当分先になりそうだ。

景気の底から急成長する「V字回復」は製造業、一方、落ち込んでからの回復が極めて遅い「L字回復」は非製造業が当てはまる。その両方が混在するのが「K字型」だ。昨夏ごろに使われ始めた用語で、当時は「巣ごもり需要」や「コロナ特需」で業績を伸ばしたネット通販やドラッグストア、製薬企業などピンポイントで少数の「業績好調組」と、製造業・非製造業を含めた大多数の「業績不調組」に分かれていた。

しかし、ここに来て製造業と非製造業という「大きな括(くく)り」で明暗を分けることに。製造業では雇用人員判断DIが前回調査から-7と、人手不足感が出てくる水準まで好転した。製造業にとっては非製造業を買収して自社事業を補完したり、新分野に乗り出したりするのに絶好のチャンスを迎えたと言える。

「K字型」の景況はいつまで続くのか?新型コロナワクチン接種が進む英国や米国ではサービス業など非製造業の回復が顕著になっている。日本でもワクチン接種のスピードが、景気回復を「K字」から「V字」へ転換する時期を左右することになるだろう。

文:M&A Online編集部

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