事業再生スキームで使用される「第二会社方式」とは
経済的に窮状に陥った企業が生き残るには、経営を再建しなければなりません。今回は事業再生でよく使われる「第二会社方式」のスキームとメリットをご紹介します。
損害保険の不正請求をはじめとする一連の不祥事で業績が急速に悪化しているビッグモーター(東京都港区)。デロイトトーマツ子会社のデロイトトーマツファイナンシャルアドバイザリーが再生計画の策定に入った。デロイトトーマツが得意とするM&Aが、再生手法として活用される可能性も高い。ビッグモーターを立て直す「最善手」と見られる「事業再生型M&A」について解説する。
事業再生型M&Aは単に「再生型M&A」とも呼ばれる、経営が危機的状態にある企業を立て直すためのM&Aだ。特に珍しい事例ではなく、会社更生法や民事再生法、事業再生ADRなどで、自主再建ではなく新たなスポンサー企業が経営権を握ったケースも事業再生型M&Aに該当する。その手法は、主に「企業再生方式」「第二会社方式」「企業譲渡方式」の三つだ。
出資者となるスポンサーから資金調達し、経営危機に陥った会社を立て直す方式。2010年1月に倒産した日本航空が代表的な事例で、この時のスポンサーは公的機関の企業再生支援機構だった。会社更生法の適用を受けたため5215億円の債権が放棄され、負債を大幅に軽減。再建のための資金調達は、同機構を通じて3500億円の公的資金で賄った。
日本航空は2012年9月に再上場を果たし、企業再生支援機構は全保有株を約6500億円で売却。3年も待たずに約3000億円もの利益を得た。日本航空のケースでは全額が国庫に納付されたが、スポンサーが民間企業であれば単純計算で年利30%超の高収益を上げられたことになる。つまり「おいしい投資案件」だったのだ。
ただし、再建が失敗した場合はスポンサーも再建資金を回収できず、損失を抱えることになる。
経済的に窮状に陥った企業が生き残るには、経営を再建しなければなりません。今回は事業再生でよく使われる「第二会社方式」のスキームとメリットをご紹介します。
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