メリークリスマス! みなさん、クリスマスはいかがお過ごしでしょうか?
今年は12月23~25日が週末と重なり3連休、天候にも恵まれ、外出した人も多かったようです。クリスマスの風物詩といえば、イルミネーション。各地で様々な行事が開かれています。
例えば、東京都立川市にある国営昭和記念公園ではWinterVistaIllumination2016を開催中。高さ7メートルのお城やシャンパングラスのツリーが幻想的な光を放っていました。
昭和記念公園に登場したシャンパングラスのツリー
入園料は大人が410円、小中学生が80円と、とてもお手頃なので、カップルはもちろん、家族連れにもオススメ。屋台では、大分からあげなどご当地グルメを含む様々な飲食物が楽しめます。23-25日夜は約350発の冬の花火が打ち上げられるというおまけつきです。
ドイツ発祥のクリスマスマーケットが開かれているのは、東京都千代田区にある日比谷公園です。「東京クリスマスマーケット2016」では、大小のサンタで装飾された高さ14メートルのクリスマスピラミッドの周りに、キャンドルホルダーなどのクリスマスグッズや、ドイツのビールやワイン、ソーセージなどお酒の肴も充実しています。
日比谷公園で開かれている東京クリスマスマーケット
筆者も24日に訪れたのですが、家族連れやカップルですごい混雑ぶりでした。周辺がビジネス街で図書館も併設している日比谷公園は普段は「サラリーマンの憩いの場」とのイメージですが、まるで様相が異なります。クリスマスマーケットは六本木などでも開催、日比谷公園で開くのは今年で2回目だそうです。
キャンドルホルダーなどクリスマスグッズを買い求める人たち
クリスマスマーケットへの入場無料。1冊300円の公式ガイドブックを買うとクリスマス雑貨などが当たる外れなしの抽選が行える特典も付いてきます。
昭和記念公園や日比谷公園はいずれも国や行政が運営しています。安価に楽しめるのは消費者にとって有難いですよね。その一方、人が集まれば、お金も動きます。クリスマス消費の恩恵を受けそうなのはどんな会社でしょうか?
東京クリスマスマーケットは東日本旅客鉄道(JR東日本)グループのジェイアール東日本企画が協賛しています。イルミネーションは夜遅くまで営業しているため、周辺のホテルで宿泊する人も増えそうです。日比谷公園と隣接する帝国ホテル東京は、エントランス周辺にイルミネーションを設置。サンタのお部屋に訪問できる特別プランも用意しています。
こうした施策のほか、訪日外国人客増加の効果もあって、帝国ホテルの2017年3月期の連結売上高は前期比2%増の570億円、営業利益は18%増の48億円と増収増益を見込んでいます。
一方、昭和記念公園の近くにあるJR立川駅から徒歩7分の場所に立地するのが「ホテル日航立川 東京」です。同ホテルはもともと帝国ホテルグループの「ザ・クレストホテル立川」として運営していましたが、2015年3月に閉館。その後、ホテルオークラとJALホテルズのホテルチェーン運営機能を統合する形で同年10月に設立された「オークラ ニッコー ホテルマネジメント」に運営主体が移り、同年11月にブランドを刷新して開業しました。総客室は100室で、全ての客室にシモンズベッドを導入したほか、バリアフリー対応の部屋を用意。チャペルも新設して、結婚式需要も狙います。
立川駅と直結する「ホテルメッツ立川」を運営するのはJR東日本グループ。関東、東北を中心に23ホテルを運営しています。特徴は駅から近いだけではありません。JRは駅チカの商業施設のルミネ、グランデュオ(エイチ・ツー・オーリテイリングと共同運営)、駅ナカ施設のエキュートも展開しており、ショッピングも気軽に楽しめます。商品券付き宿泊プランも用意したホテルもあります。
立川駅周辺はもともと百貨店の伊勢丹、高島屋がありましたが、再開発によるここ数年の発展ぶりは目覚しいものがあります。2014年に家具インテリアのIKEA(イケア)、2015年に三井不動産が運営するショッピングセンターの「ららぽーと」が進出。そして2016年2月にドン・キホーテが「MEGAドン・ キホーテ立川店」を、11月にヤマダ電機が家電量販店「LABI LIFE SELECT」がオープンしました。
そして東京オリンピックが開かれる2020年には、日本ビューホテルが立川駅周辺にシティホテルを開業するとの計画が取り沙汰されています。日本ビューホテルは浅草ビューホテルなど関東を中心に18ホテル、栃木県那須高原に遊園地「那須りんどう湖 LAKE VIEW」を運営しています。もともとは1953年に那須観光株式会社として設立され、那須ビューホテルを皮切りに各地にホテルを展開しましたが、2001年に民事再生手続きを申し立てました。その後、2014年に東京証券取引所第二部に上場し、成長戦略を強化しています。
その日本ビューホテルとタッグを組むのが立川市に広大な土地を所有する立飛ホールディングスです。日本ビューホテルの発行済株式の5%超を保有する第2位株主で、2015年5月に同社と業務提携を結びました。立飛ホールディングスは立川市に98万平方メートル、東京ドーム約21個分の敷地を保有する「立川の大家さん」と言える存在です。立川市周辺にシティホテルが少ないことから、両社はシティホテルの開発に向けて市場調査を進めていきます。
これだけ再開発が進めば、立川駅を乗り降りする乗客は増えるのではないでしょうか。JR東日本のホームページによると、立川駅の1日平均の乗車人員は2015年度に16万3903人と2000年度(13万2672人)より約24%増加。JR東日本エリア内での順位は19位から15位に上昇しました。羽田空港行きのモノレールと接続する浜松町駅や大崎駅、吉祥寺駅を上回る乗客数となっています。一方、有楽町駅の乗車人員は2015年度に16万7424人で14位。立川駅との差はわずか3521人で、2000年度からの増加率は7%にとどまっています。
こうした中、三井不動産が日比谷・有楽町地区の活性化に動き出しました。2018年1月にオフィス、店舗、芸術文化施設が一体となった複合施設を開業する計画です。日比谷を創業の地とする東宝グループが11スクリーン、2300席の映画館「(仮称)TOHOシネマズ日比谷」を新設する予定です。日比谷エリアは、丸ビルや新丸ビルがある丸の内、六本木ヒルズや東京ミッドタウンがある六本木などに比べて、少し地味なイメージもありましたが、新複合施設が誕生すれば、帝国ホテルや有楽町駅の稼働率にプラスになりそうですね。
有楽町駅を挟んで反対の銀座側では、2016年12月に百貨店「プランタン銀座」が32年の歴史にピリオドを打ちます。仏・プランタン社との商号・商標契約が終了するためで、2017年3月中旬に「マロニエゲート銀座」として生まれ変わる予定です。
クリスマスで賑わう有楽町と立川は、シンボルとなる公園を中核に商業施設や宿泊施設がバランスよく配置されている街づくりが共通しています。駅の乗車人員で激しく競う有楽町と立川が今度どのように発展していくか、目が離せません。
文:M&A Online編集部
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